スペインに鍼の技術を教えに行ってきた④~スペイン人、肩が緩みすぎて身震いする~
坂口です。
前回の記事はこちら:スペインに鍼の技術を教えに行ってきた③~前半戦終了、勢いと情熱のコミュニケーション~
今日からセミナーの後半戦、「上半身編」が始まります。
バルセロナは今日も晴れ。それにしても暑い!
現地に住むサワコさんも「年に数えるほどしかない暑さだ」と言うほどです。
スペインの鍼灸事情
ベーシック2も満席こえてスタートです。二日間、熱く駆け抜けます! pic.twitter.com/rtXwQoSWHq
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
バルセロナの参加者は日本と違って、全員が鍼灸師ではありません。
理学療法士、マッサージ師、ハーブセラピスト、ヨガインストラクター…と様々な職種が集まっています。
中には獣医の方もいました。鍼だけでなく、他の治療法と組み合わせて使っている方が多いようです。
スペインでは鍼灸師は国家資格ではなく、実質的に「やってはいけない」と規制する法律もありません。
多くの人は鍼灸学校の短期コースを修了した後、鍼治療を行っている、とのこと。
ある鍼灸師に「どれくらいの施術代で治療していますか?」と聞いたところ、「初診60ユーロ、2診目以降は40ユーロ」と言っていました。
1ユーロがおよそ130円なので、60ユーロは7800円くらい、40ユーロは5200円くらいです。
日本の鍼灸治療の相場が初診7000~8000円、2診目以降は5000~6000円なので、だいたい同じくらいでしょうか。
バルセロナの物価や生活水準を考えても、日本とそう大差ないように感じました。
谷地先生、バルセロナで講師デビュー
前半戦では写真撮影などの裏方を務めていた谷地先生ですが、この日から講師として参加することになりました。
谷地先生は、整動鍼にハマりすぎて1年に20回も北海道と東京を往復してセミナーを受けに来たり、自身のブログ「ドアのノックはゆっくりと」の影響力が強すぎて北海道で整動鍼セミナーが開催されたり…となかなかぶっ飛んだお方です。
現在は整動協会の副代表を務め、臨床ではホームラン級の成果を連発し、さらに病院と連携して「鍼の効果と脳科学」を研究する最前線に立っています。
そんな谷地先生が、言葉の通じない環境で講師デビュー。
流石にちょっと緊張しているかと思いきや、カメラを向けるといつも通りのテンションで応えてくれました。大丈夫そうですね!
BASIC2はじまります!何とあの男が講師デビュー!? pic.twitter.com/ds7SVIh3Ft
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
「緩みすぎて身震いする」「痛みの思い出が残っている」
初日と同様に「グッチと呼んでください。あの世界的に有名なブランドと同じです」と自己紹介を終え、オーナーが肩コリのデモを行っている時でした。
デモを受けた方が「肩がすごく緩んだ」と言った後に「風邪を引いた時みたいな寒気がする」と言いだしました。
調子でも悪いのかな?と思いましたが、そういうことではなさそうです。
首〜肩の痛み、コリを腰への鍼で解消しました。「余りにも緩みすぎて身震いがする」と、ヨーロッパ的な?感想頂きました。
現地時間13:05 pic.twitter.com/c0YEIAwExG
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
日本語だと「鳥肌がたつ」的なニュアンスでしょうか。
また首の痛みのデモでは「痛みの思い出が残っている」という感想もいただきました。なんだか詩的な響きです。
さらに残った首の違和感にアプローチすると「痛みの思い出が残っている」とのこと。
何だか粋な表現です。 pic.twitter.com/P1HlwAGRhL
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
デモが終わると練習開始。指導中はつい熱が入り、テンションが上がりすぎてしまいます。
しかし、それに気づくのは練習を終えた後…指導中はテンションをコントロールできません。
片言のスペイン語と英語、あとボディランゲージで何とか説明します。
午前のセミナーを終え、昼飯を食べて学校に戻ると、すでに練習を始めている姿が!
「好きこそ物の上手なれ」と言いますが、バルセロナの整動アミーゴたちが整動鍼を使いこなす日は遠くないでしょう!
スペイン語を覚えるために
午後のセミナーも、いつも通りキレてます。
「昔、バイク事故で鎖骨を骨折した」という女性の肩も、鍼2本で上がるようになりました。
上がらなかった肩が、鍼2本で痛みなく上がるようになりました。
数年来の悩みが解決して、とても喜んでいます。 pic.twitter.com/JPkjEwPeES
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
デモが終わったら、練習練習!
骨格模型を使い、ビジュアルで説明する谷地先生。早くも板についています。
スペイン人に囲まれる谷地先生。骨格模型を使って熱の入った指導が続きます。 pic.twitter.com/6t4JwyFztf
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
教える時に使えるスペイン語も少しずつ増えてきました。例えば「肩甲骨」を何と言えばいいのかわからない時は、肩甲骨を指さして「Español?(エスパニョール?)」と尋ねます。
すると「Escápula!(エスカプラ!)」と教えてくれるので、素早く自分の腕に書き込みます。
エルカプラ=肩甲骨。必要なスペイン語を腕に書いて覚えてます。 pic.twitter.com/ffpyObMgCF
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
「ギリギリ=Borde(ボルデ)」は「このツボは骨のギリギリにある」と伝える時に役立ちました。
あまりにも言い過ぎて、最後の方は「ギリギリ」と言うだけで伝わるようになっていましたが…。
「デフィーシル(Difícil)」は「難しい」という意味で、ツボの位置がわからず困っている受講者に「デフィーシル?」と声をかけるとうなずいてくれるので、話のきっかけとしてよく使いました。
この日も順調に進み、3日目終了。オーナーが「順調に進みすぎて逆に不安」と言うほど、順調に進んでいます。
セミナーの喜びがわきでてます! pic.twitter.com/cRaxrHbKul
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
明日はついに最終日です。感動のフィナーレが待っていました。
Cuidate!(クイダテ!)
元気でね!
おまけ:体でガウディを感じる
重力をいかにコントロールするか?整動鍼とガウディの共通点を噛み締めています。これから夕食です。
現地時間20:08 pic.twitter.com/9MsgNm8Kyb
— (一社)整動協会 (@seido_office) 2018年7月7日
ガウディ建築において重要なキーワードとなる「懸垂線」をオーナーと作ってみました。
顔がちょっと疲れてますね…。
次の記事:スペインに鍼の技術を教えに行ってきた⑤~「ありがとう」より上の言葉で伝えたいけど…~
はりきゅうルーム カポス(鍼灸師)
本物の鍼を追究するために大阪からやってきました。
患者さんに「鍼って本当に効くんですね」と言ってもらえた時に、鍼灸師としてのやりがいを感じます。
好きな言葉は「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」 趣味はサウナ。
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