鍼灸院の写真の撮り方について考えて、撮影してみた【撮影編】
坂口です。
「鍼灸院の写真の撮り方について考えてみた」企画も5回目を迎えました。いよいよ最終回です。
今回は、実際の撮影風景を紹介しながら、弊社カメラマンの小堀に撮影のポイントを聞いていきます。
撮影にかかった時間は約二時間半でした。それぞれのシーンごとに紹介します。
※今回けっこう長いので、必要なところだけ飛ばして読む or 休み休み読むことをオススメします。
外観(お蔵入り)
カポスはオフィスビルの一部屋を借りて営業しているので、ぶっちゃけ外観写真が映えません。あれこれアングルを工夫して画像の修正も加えてみましたが、これが精一杯でした。
…まぁ、オフィスビルのドアを撮影しただけなので、これはお蔵入りとなりました。路面店などの場合は、もっと良い感じの外観写真が撮れると思います。屋外の自然光の中で写真を撮るのは、屋内の撮影とはまた違ったテクニックと知識が必要ぽいです。
患者さん(モデルさん)がドアを開けるところ
このシーン、個人的には結構気に入ってます。患者さんにとっても、初めて行く鍼灸院に入るのは勇気がいるもの。その不安を少しでも和らげれたらなーと思い、撮影しました。
(坂口)ー小堀くん、このシーンは撮影するの難しかった?
(小堀)これはかなり難しかったです。狙って撮れたわけではなく、何枚もシャッターを切った結果いい写真が1枚だけ撮れました。 カポスはただでさえ暗いのに、このシーンは外の光が入ってくる撮影です。カメラにとって明暗差は大敵。今回の撮影で最も難しかった写真のうちの1枚だと思います。
ー初っ端から、そんな難しいシーンがあったとは。
エントランス、待合室、受付など
鍼灸院に入った患者さんが次に目にするのは、エントランスや待合室、受付など。
「ようこそ」的な、ウェルカム感のある写真を撮影すると良いかと思います。電話対応なんかの写真も良いかもしれませんね。
ーこのあたりの撮影、気をつけたポイントとかある?
まあ写真撮影以外では気にもならないところなんですけども…カポスの天井って、平らではないんですよね。そういった環境では、光の反射が均一にならないんです。変な影ができたり。なので、まず光をどこに当てるかを考えました。
あとは…自然な表情を作るのって難しいんですよね。なので大丈夫そうと思っても、そこから何枚も撮ることを意識しました。 人が入らない写真であれば、ちょっとずつ設定をいじって調整できるのでなんとかなるんですが…いい表情を撮るとなると、一瞬の切り取りが必要なので大変ですね。
ー今までカポスで写真撮ってて上手く撮れへんなーと思ってたけど、まさか天井の形も関係してたとは。ちなみに、カメラの上についてるデッカいのは何?
これはストロボっていう機材で、まあいわゆるフラッシュです。 鍼灸院の室内は基本的に暗いですよね。つまり撮影には向いていないんです。なので、光の量を調節して綺麗に写すためにストロボを使います。
ー暗い室内、ストロボ、光を調整…と( ..)φメモメモ
問診表に記入する様子
これは手元のアップと、記入している様子の2パターン撮れば大丈夫かと。
施術を受けてもらうか否かに関わらず、実際にモデルさんが抱えている症状について書いてもらうとスムーズにいくかな、と思います。
ーこのシーンはどう?
モデルさんが身構えないように意識しました。もう「このまま書いちゃってください!」くらいの感じで。 見ての通り、圧迫感がすごいので。笑
そのくらいですかね。ここは表情がない分、いつでもシャッターが切れるのでこちらとしては楽なシーンでしたよ。
ー確かにこのシーンは、問診室の幅が無いのもあって圧迫感がすごかった(笑)でも、そこは流石モデルさんで、表情が硬くなったりしないのがプロやな~と思いましたね。
スタッフが問診する様子
カポスは問診室が縦長なので、施術者とモデルさんの表情を同時に撮ることができず…。
アングルや光の加減を変えて、小堀くんに撮影しまくってもらいました。
ーこのシーンは?
本当は2人ちゃんと写したかったんですけどね。スペースがないので別プランで行きました。このシーンも実際の枚数はめちゃくちゃ多いです。何枚も撮って、その中からこの表情ならいいかなというものを選びました。ここだけで合わせて100枚は撮ったかな…?
実際の撮影でも1発OKなんてそうそうないので、ある程度の設定ができたらあとは枚数こなすのが大事なんじゃないですかね。
ー100枚!かなり撮影してるなーとは思ったけど、そんなに撮ってたとは。カメラマンって大変ですね~(他人事)
施術のイメージ(患者着に着替えたところ、鍼や施術方法の説明、施術のイメージなど)
ここが本番です。時間も一番かかります。事前にどんなカットが欲しいか十分検討して、ドンドン撮影していきましょう。
ーこのシーンはマジで大変やったと思う。苦労したこととか、これは上手くいった!ってポイントはあった?
この辺りはあらかじめ入念に準備をしておきました。モデルさんが来る前に誰もいない部屋を撮影しておいて、どんな設定であればちょうどいいかな…とか。その準備と入念な打ち合わせの甲斐あってスムーズにいったと思います。
鍼の説明のシーンとかは、実際に説明をしてもらいました。そうした方が自然な表情も出しやすいですし。 刺鍼しているシーンを撮るのは普段のセミナーでも慣れているので、ここに関しては苦労はしませんでした。結局、表情を撮るか撮らないかで難易度が劇的に違うな…と。
ー表情はリハーサルできないからな…こっちとモデルさんが息を合わせないとアカンし、タイミングがちょっとズレるだけで微妙な表情になったり。
そうなんですよね。もうそこは枚数で勝負です。何百枚も撮っていれば1枚くらいはいい表情の写真が写っているはずですから。
ーあと「設定」っていう言葉が出てくるけど、一眼レフやったら何を設定で変えられるん?
「設定」で大きく変わるのは「明るさ」ですね。 大まかに話すと、
・シャッタースピード
・F値
・ISO
この3つを調整します。
ーありがとう!…って聞いといてアレやけど、全然分からん(笑)
…というそこのアナタ!「カメラ入門」という本がおススメです!とりあえずズブの素人だった僕でも、カメラのことが少しわかるようになりました。マジおススメです。
受付、会計
最後のシーンです。ちなみに、写真に写る人の「視線」を合わせると違和感が無くなるなーと思いました。同じものを見ている、あるいはお互いの目を見ている写真を撮る時、キチンと目線の方向があってないと、どことな~く違和感を感じる仕上がりになってしまいます。
ーどうでしょう?
自然な仕上がり、大事ですよね。 撮影中は全然違うこと話してたりしますから。
あとは撮影のために目を合わせて撮影するのって、慣れてないと緊張しますからね。 硬い笑顔になってしまいがちだと思います。
それにしても、このシーン難しかったですね…というのも、ちょっと奥の天井が出っ張ってるじゃないですか。奥の方に全く光が当たらないんですよ。予想外の出来事でしたね。ここは止むを得ずノーストロボで撮影しました。
ー敢えてノーストロボを選択する時もあると。使い分けが大事なんですね。
プロであればそこにも光をあてる用の機材を持っていると思うのですが、流石にそこまでコストはかけられないかなという感じですね。ストロボはなくてもそれなりに写真は撮れる、という例ですかね。 でもあったほうが幅が広がりますね!
ーちなみに2枚目は、HP更新している時に足りないのに気づいて撮り足しました(笑)
2枚目の写真いいと思いますよ〜! こういう写真であれば、流石にストロボとかなくてもできるんですよね。
ーえ、写真いいですか…?ありがとう小堀く……いや、先生。小堀先生と呼ばせてください!
先生て(笑)
ー小堀先生!最後に、「自分でやってみたい!」って人に向けて何か一言ありますか?
とにかくカメラを触ってみましょう!で、いきなり本番じゃなくて、いろんなものを撮ってみる。「こういう風にカメラを使うとこうやって写るんだな」って実感するのが一番です。
その中で上達するコツとしては、アマチュア写真家がたくさん投稿している写真のサイトを見ながら、似たような写真を真似していく、って感じですかね。
まあ本当に一言で言うなら「じゃあまずやってみよう!」って感じです!
ーわかりました。やってみます!ありがとうございました!
ありがとうございました~!
オフショット:栗原のガチ施術
撮影のラストに、時間が10分ほどあったので栗原が施術(ガチ)を行いました。実際、モデルさんには腰痛があったのですが…施術の様子をご覧ください。
写真見てて思い出したんですけど、これ10分くらいで腰痛だけじゃなく肩こりも施術してますね(笑)
最後に
いやーすっかり長くなってしまいました!お付き合いいただきありがとうございます。このシリーズがあなたの鍼灸院の写真にとって、お役に立てると嬉しいです。
「実際、この通りにして上手くいったよー!」「ここはもっとこうした方がいいんじゃない?」というご意見もぜひお聞かせください。お待ちしております。
以上「鍼灸院の写真の撮り方について考えてみた」でした。それではまた!
このシリーズの過去記事はこちら
鍼灸院の写真の撮り方について「ふくぎ鍼灸院」にインタビューしてみた
鍼灸院の写真の撮り方について「はりきゅうroom タスケ」にインタビューしてみた
はりきゅうルーム カポス(鍼灸師)
本物の鍼を追究するために大阪からやってきました。
患者さんに「鍼って本当に効くんですね」と言ってもらえた時に、鍼灸師としてのやりがいを感じます。
好きな言葉は「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」 趣味はサウナ。
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