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発症から7ヶ月経っていた低音障害型感音性難聴が回復したケース

" 低音障害型感音性難聴 "

2018年11月14日

低音性難聴という名前を聞いたことはありますか?

 

こんにちは。はりきゅうルームカポスの浦井です。

 

 

「耳が聞こえない」と検索するとまず出てくるのは突発性難聴。

 

低音障害型感音性難聴は、突発性難聴とは別のタイプの難聴です。

 

これは、2つの難聴を比較したものです。

 

 
突発性難聴 低音障害型感音性難聴
再発しない 再発を繰り返す
急に激しい聴力低下 症状が悪化してメニエール病になったり、聴力が大きく落ちることがある
片耳で起こる 片耳のことも、両耳のこともある
幅広い年代に発症 20〜40代の女性に起こりやすい
原因不明 原因不明

 

 

 

こちらの症例も典型的な低音障害型感音性難聴です。

 

 

発症してすぐに入院。ステロイド点滴、薬の服用。さらに星状神経節ブロック注射、高圧酸素吸入。

「やれることはなんでもやって来た」とご本人は仰っていました。

 

 

ただ残念ながら聴力は思うように回復せず。退院した後も服薬を続けながら様子をみようということになりました。

 

 

耳の調子がいい日に「そうだ、鍼でも受けてみようか。もっと良くなるかもしれない」と思い立ってくださったのが来院のきっかけです。

 

 

「もう時間が経ってるから無理かもしれない。でも時間がかかるとしてもちょっとでも良くなりたい」と真剣は表情でおっしゃったのが印象的でした。

 

施術は決して平坦な道のりではなかった

改善の壁、それはやはり発症から時間が経ち過ぎていたことです。来院時点ですでに7ヶ月が経過していました。

 

 

耳の回復は時間との勝負です。

 

 

耳の細胞が受けているダメージから回復するには、3ヶ月がタイムリミットだと言われています。そこを超えると耳の細胞が息を吹き返すことは極めて困難になるのです。

 

 

 

解消せねばならない首肩コリもありました。耳への血流を促すためです。

 

 

さらに睡眠の問題もありました。夜中に何度も目が覚めてしまいそのあとは眠れなくなってしまうのです。

 

 

耳の回復には良質な睡眠が欠かせません。

 

 

ダメージを受けた耳の細胞の修復は睡眠時間に行われるからです。

 

 

睡眠の問題については処方された薬を飲みつつ、鍼でも改善を意識して治療を重ねました。具体的には背中の緊張を取っていくということでアプローチをしました。

 

転機となったのは「のぼせ」へのアプローチ

10回目までは大きな変化は見られませんでした。

 

ご本人は「発症から7ヶ月。時間が経っているから仕方ないですよね。気長にやります」と仰っていましたが、私は内心こんな気持ちでいました。

 

 

 

「時間が経っているから、正直なところ改善は難しいかもしれない」と。

 

 

しかし患者さんも私も時間を理由に諦めることはできませんでした。あの手この手でアプローチを試みました。

 

 

転機になったのは「のぼせ」改善に取り組んだことでした。

 

 

それまで調子の良い日もあればそうでもない日がありましたが、調子の良い日が確実に増えてきたのです。

 

 

 

耳と「のぼせ」一見関係ないように思われるかもしれませんが、実はとても深い関わりがあります。

 

「のぼせ」とは、余計な熱が頭から上に溜まってしまうこと。これが耳の症状を悪化させてしまうのです。

 

 

こんな方が「のぼせ」を引き起こしやすいです。

・睡眠をしっかり取れていない方

 

 

・更年期などホルモンバランスが乱れている方

 

 

・首肩コリが強い方

 

 

 

「のぼせ改善」で重視したのはこの3つです。

・鍼を使い、頭から上の余計な熱を逃がす

 

 

・それでものぼせを感じたら、アイスノンで冷やす

 

 

・冷えが強い足先は保温をする

 

余計な熱を逃がし、冷まし、熱が足りないところには補う。患者さん自身にやってもらうことも含めてすべて必要なことだと判断しました。

 

 

15回目の施術を終えたあと聴力検査をしてもらったところ、聴力は完全に回復していました。

 

同時に耳なり、耳づまりも出なくなりました。興味深かったのが、耳の改善とタイミングを同じくして睡眠の質も上がっていたことです。睡眠の質と耳の調子の改善も、やはり切っても切れない関係があります。

 

 

以下のオージオグラム(聴力検査表)は来院直前から回復までの経過をあらわしたものです。10回目の後から回復している様子が分かると思います。

 

 

 

 

 

まとめ

耳の改善のためには2つの要素が必要不可欠でした。

 

 

・定期的な通院ペース(週2回)を守ったこと

 

・正しい見立てと施術ができたこと

 

 

「諦めなくて良かった(^_^)」

 

患者さんも私も笑顔で最終施術日を迎えることができました。

 

確かに発症から日が経っていると確かに改善への条件は悪くなってしまいますが、改善の余地が完全に消える訳ではありません。

この記事を書いた人

はりきゅうルームカポス(鍼灸師・柔道整復師)

地に足のついた成果を出せる鍼灸師でありたいと思っています。
何となくいい感じかも?というフワッとした鍼をするのでなく…。

その人のポテンシャルを最大限引き出す力が鍼にはあります。
お力になれたら嬉しいです。

好きな言葉は「真剣勝負」
格闘技・筋トレ・猫が大好きです!

 

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カテゴリー: 低音障害型感音性難聴.
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発症から7ヶ月経っていた低音障害型感音性難聴が回復したケース への1件のコメント

  1. 菊池 和久 より:

    すばらしいです!あきらめないで治療を続けることの大切さを改めて再認識です。全く違う症例で通院していますが、私の治療にもますます意欲がわいて参りました。今後ともよろしくお願いします。

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