群馬研修日記・坂口編(5) 患者さんが鍼灸院に求めるもの
坂口です。
(4)「休みでよかった養気院」のつづき
研修5日目の今日は、社用車を紹介します。
宿泊しているビジネスホテルから養気院までは畑が多く、農道の間を通って通勤しています。歩いても行けますが少し時間がかかるため、オーナーが社用車を用意してくれました。
もちろん、こっちの方ですよ。
折りたたむとコンパクトに。変速も6段階付いています。
宿泊しているビジネスホテルから、養気院まではこの自転車で10分ほど。読んで、書いて、見て、の繰り返しでヒートした頭をほどよく冷ましてくれます。
患者さんは鍼灸院に何を求めているのか
オーナー「患者さんって、鍼灸院に何を求めてくるんだろう?」
坂口「やっぱり、辛い症状を治してほしい、でしょうか」
オーナー「もちろんそうだね。でも、それでは半分」
坂口「えーあと半分…」
オーナー「そしたら、こう考えてみて。いきなり激しい発熱・頭痛・倦怠感におそわれたら、どう思う?」
坂口「パニックになりますね。死ぬんじゃないかって」
オーナー「そうなるよね、ふつうは。でも、鼻水・くしゃみ・咳という症状が加わったらどうなる?」
坂口「これ…風邪の症状ですか? ちょっと重症ですけど」
オーナー「症状が増えているからパニックが大きくなる? 実際は逆だよね」
坂口「家で寝ときます。寝てたら治るでしょうし」
オーナー「そう。自分の過去の経験から風邪は治るって知ってるからね。それと、他の人が風邪になって治るのも見たことあるよね」
オーナー「その逆で、患者さんは先が見えない不安と、私だけじゃないかって孤独を常に抱えている」
オーナー「その不安と孤独を解消するのも、鍼灸院の大きな役割だと思うんだ」
・・・そう言えば、ある時の臨床中・・・
オーナー「初めての方もたくさん来院されてますよ~」
患者さんB「モートン病って鍼で本当に良くなるんですか? 病院では手術しかないって言われたんですけど・・・」
オーナー「良くなりますよ~。あのブログの通りですよ~」
な、なるほどォ~
あのさりげない声かけの中に患者さんの不安と孤独を解消させようとする意図があったなんて!
どうやら、患者さんにかける言葉の一つ一つには意味があるようです。人柄で患者さんを包むとか、そういう意識ではなさそうで、その時に必要な言葉をかけているだけのようです。
オーナーは、
「自分の言葉がどういう意味を持つかを考える習慣を身につけておけば、トーク術に頼ることなく、誰でも同じように臨床が出来ると思うよ~」
と言っていました。
明日は何を言い出すのか楽しみです!
はりきゅうルーム カポス(鍼灸師)
本物の鍼を追究するために大阪からやってきました。
患者さんに「鍼って本当に効くんですね」と言ってもらえた時に、鍼灸師としてのやりがいを感じます。
好きな言葉は「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」 趣味はサウナ。
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