病院の治療
肩こりで病院にかかる場合、整形外科にかかるのが一般的ですが、他にも神経内科、脳神経外科にかかる場合もあります。それぞれの科でどんな事が出来るのかを説明します。
整形外科
整形外科では捻挫、骨折、筋肉の痛み、関節の痛み、神経の痛みなど体を動かす時に使う部分が診療範囲となります。肩こりで受診する人が最も多いです。
肩こりにはさまざまな原因があります。中には内臓の病気から肩こりを感じる場合もあります。詳細ページ
問診や検査の結果からさらに詳しい検査が必要であれば他の科を紹介される事もあり、隠れた病気の早期発見につながります。
検査
問診、画像検査(X線、CT、MRI)を行い、肩こりに重大な疾患が隠れていないかを検査します。→内臓からくる肩こり
治療
・牽引療法
・運動療法
・ブロック注射
・薬物療法
・手術療法
保存療法
整形外科では主役となる治療法です。温熱療法と電気治療があります。温熱療法はホットパック等で患部を温め筋肉のこりをほぐしていきます。電気療法は低周波等の機械を患部に当て、筋肉を電気信号で刺激することにより血流を良くしていきます。
牽引療法
頚椎、胸椎、腰椎に対して行い、狭くなった脊椎の間隔を広げる目的で使われます。牽引専用のベッドに体を固定し、一定の加重をかける事で牽引を行います。牽引には種類があり、水平牽引型と垂直牽引型があります。日本では水平牽引型が多く普及しています。
運動療法
PT(理学療法士)がリハビリテーションを行います。ヘルニアや脊柱狭窄症の手術後に早期回復、社会復帰を目指して行うことが多いです。ストレッチに近いものや機械を使ったりして、衰えてしまった機能を回復させる目的で行います。
ブロック注射
整形外科ではなくペインクリニックで主に使われていて、即効性のある治療法です。ブロック注射とは別名「神経ブロック注射」と呼ばれ、その神経の近くに局所麻酔薬を注射することで、一時的に神経の興奮を抑え、血流を改善させ、痛みで傷ついた部位を自然治ゆ力をより高めて回復を図る治療法なようです。
ブロック注射には50種類ほどあり目的によって使い分けます。
薬物療法
・筋弛緩薬
緊張している筋肉を弛緩させる薬です。弛緩した筋肉は血流を取り戻し老廃物や疲労物質を流してくれます。
ex)ミオナール:効果は穏やかだが、副作用が比較的少ない薬です。
・ステロイド
ステロイドは即効性があり炎症を抑えて痛みを和らげる働きがあります。使用し続けると本来持っている副腎皮質機能が弱まりステロイドをやめた時にその反動で副作用が出る場合があります。用法用量を守って使用しましょう。
・抗うつ剤、抗不安剤、抗ストレス剤
肩こりは精神的ストレスによって出現してきます。最近増えているうつ病では肩こりを感じる人は多くいます。
ex)
・トリプタノール:抗ストレス作用があり、意欲を高める効果がある。効果は高いが副作用も出やすい。
・メイラックス:抗不安薬。不安感を和らげ気持ちを落ち着かせる。依存性が少ない。
・レンドルミン:睡眠改善薬。気分をリラックスさせ、自然に近い形で眠りを誘います。
・デパス:筋弛緩作用を持った抗不安薬。筋肉のこわばりやつっぱりをほぐして緊張感を和らげる。
手術療法
ヘルニアや脊柱管狭窄症といった疾患で、保存療法や手技療法では回復の見込みが薄いと判断した場合に行います。手術で原因そのものを取り除く事が出来るので、効果が高いようです。
手術はよい治療法ではありますが、デメリットもあります。
・デメリット
手術で切開した部分の癒着のリスク
手術後の感染症のリスク
手術後の筋力低下のリスク
脳神経外科
肩こりと同時に腕や手のしびれ、頭痛がある場合は脳神経外科を受診するケースが多いです。脳神経外科では肩こりの原因がくも膜下出血、脳梗塞かどうかを調べます。その際に脳のCTやMRIで検査をします。頚椎などの異常も同時に検査することが可能です。
心療内科
心療内科では主に精神的要因からくる肩こりを治療します。うつ病では体が無意識に緊張してしまっている人が多く、肩こりを訴える人が多いです。そういう方に対し心療内科では抗うつ剤、抗ストレス剤、抗不安薬などを使い、精神的側面から肩こりにアプローチしていきます。