子供の頭痛
子供の頭痛は発症している時間が短く、発作時以外はケロっとしているため診断が難しく、場合によっては仮病扱いされてしまうケースもあります。
<子供の頭痛について>
頭痛は大人だけでなく子供にも同様にあります。子供の場合特に片頭痛が多くさまざまな症状が見られます。
子供の片頭痛の特徴
・発症時間が短い(1~3時間で治まる場合が多い)
・嘔吐や下痢が伴う事が多い
・緊張型頭痛と区別が難しい
子供の片頭痛は突然やってきます。
つい先ほどまで元気に走り回っていた子供が、突然「頭が痛い。」と元気が無くなります。1~2時間程度でケロっとまた元気に遊びだすので、周りの大人は疑ってしまう事もあるようです。
疑ってしまう原因は、大人の片頭痛と子供の片頭痛では症状の特徴が違うからです。大人には片頭痛の前兆がある程度感じられ、少なくとも4~5時間は発作が続きます。
子供は前兆があまりなく、発作も1~2時間程度で治まるケースが多いので、本当に痛かったのか疑問に思ってしまう事もあると思います。
仮病だと決め付けずに周りの大人たちの理解が必要になります。
大人 | 子供 | |
腹部症状 | ない | ある(腹痛、下痢、嘔吐) |
発作時間 | 4~72時間 | 1~72時間 |
音や光に敏感 | ある | ある(行動に表れる) |
頭痛を伴う、その他の病気
<熱、鼻水、咳を伴う場合>
・風邪
・インフルエンザ
・慢性副鼻腔炎
<高熱・痙攣・意識障害を伴う場合>
・髄膜炎
・脳炎
<耳の痛みがある場合>
・中耳炎
<頭をぶつけた場合>
・脳内出血
・硬膜下血腫
自家中毒(周期性嘔吐症、アセトン血性嘔吐症)
子供の片頭痛は腹部症状を伴うことが多いです。この腹部症状を生み出す正体が自家中毒なのです。
自家中毒とは自ら生成した有毒な物質(セロトニン)によって引き起こされる中毒症状で頭痛、お腹の痛み、嘔吐、下痢が出たりします。乗り物酔い、めまい、立ちくらみもよくある症状です。
※国際頭痛診断基準でも子供の偏頭痛の症状として「お腹痛み」が定められています。
子供にもストレスはあります
片頭痛はストレスと密接に関わっています。子供にとって学校がストレスになっている場合もあり、症状は比較的平日に出現し土日は落ち着いているケースが多いです。このため「不登校」や「怠け病」と誤解されてしまうこともあります。
週末は元気だから「仮病」とは決めつけず、子供の症状に耳を傾けるようにしましょう。
片頭痛になりやすい子供
・乗り物酔いがしやすい子
・喘息やアレルギーがある子
・低血圧や貧血気味で立ちくらみを起こす子
これらが見られる子供は片頭痛になりやすいので、注意してみてください。
<子供に片頭痛が起きた時の対処法>
片頭痛の発作が起きているときは、音や光に敏感になり痛みが増悪します。まず暗い部屋で横になり静かにしている事が一番の対処法です。
子供の頭痛は朝の起床時に多くみられ、数時間発作が続くことが多いです。発作が引いてしまえばケロっとしてまたいつも通り元気に生活しだします。
それが何回も続くと仮病ではないかと疑って、少し無理してでも学校に行かせる親御さんもいるかと思います。
しかし片頭痛の子供にとったら学校へ行くのはとても辛いことです。家で安静にしてあげて欲しいと思います。