鍼が苦手だった鍼灸師が「鍼って痛いの?」に正直に答えます
浦井です!
「鍼は初めて」という患者さんがたくさん来院されます。
「鍼って痛いんですか!?」
これが、いちばん多い質問です。
初めての方が「鍼の痛さ」をご心配されるのは当然だと思います。
「はり」と聞くとイメージは注射。
私もできることならば注射は避けたいですし、針が刺さる瞬間は思わず目を背けてしまいます。
それでも注射を受け入れるのは、それが必要な治療や検査だと納得しているからです。
「痛くても良くなるのなら」「必要ならば」と覚悟を決めているから納得できるのです。
「鍼は痛くないです」とお伝えするだけでは不安は取り除けないと思います。
ですので、本当のところをお話させてもらおうと思います。
鍼は無痛とは言えない
まず、鍼はまったくの無痛とは言えません。痛い時もあります。
ただ、「痛い」と言っても注射針で刺されたような痛みではありません。
一般的な注射の針 | 0.4~1.2mm |
鍼灸師が使う鍼 | 0.16~0.2mm |
鍼灸師が使う鍼は髪の毛の細さとほぼ同じです。
太さがまったく違うため感覚が違います。
また、素材(金属)の弾力性も違います。鍼灸師が使う鍼は柔らかくぐにゃっとしなります。そのまま皮膚に当てても皮膚に跳ね返されてしまうので、鍼管(しんかん)という管に通してとトントンと鍼の頭を叩いて刺入します。瞬時なので痛みを感じにくい仕組みになっているのです。
鍼はこんなに軟らかい〜!
先端を触るとグニャリと曲がります。
指を離すとビヨ〜ンとしなります!
注射針が手に入らなかったので、爪楊枝との比較写真です。
爪楊枝は柄のところが2mm。先端が1mmです。
いかに鍼が細いか実感して頂けたでしょうか?
またもや爪楊枝と比較してみました。
鍼が5mm程度身体に入った所です。
おおよそこの程度の深さを身体に入れることが多いです。
鍼が痛いと感じる原因
なぜ痛い時があるのか?
2つの可能性が考えられます。
毛穴に鍼が入った時
1つ目は毛穴に入ってしまった可能性です。この時にはチクチクとした鋭い痛みが持続的に起こります。
ごくまれな例ですが、10秒程度待ってみても痛みが消えず、むしろ増してくる場合もあります。毛穴は非常に小さいため、よく目をこらして細心の注意を払っても避けるのが難しいのです。
ただ、毛穴に入ってしまった際でも、痛みをこらえる必要は一切ありません。「チクチク痛む」と教えて頂ければすぐに鍼を抜いて対処します。鍼を抜けばすぐに痛みもおさまります。
ツボでひびく
2つ目は「ひびき」と名前がついている、鍼独特の感覚を感じた時です。
肘をどこかの角にぶつけた時に一瞬ジーンとする感覚をもっと弱くしたもの、と言うイメージが近いです。ズーンとした重さを感じたり、ボワーっと何かが広がる感じがします。
鍼のひびきは脳内に痛みをやわらげる物質や精神を安定させる効果をもたらします。
つまり、身体に良い変化をもたらしてくれるものでもあります。もちろん、「ひびきがない=鍼の効果がない」という事ではありません。ひびきを感じない場合でも筋肉のコリや張りが減ることで十分な効果が得られます。
また「ひびきは気持ち良いから好き!」とおっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。コリがゆるんでいく感覚のように感じる方もいらっしゃいます。
ひびきは鍼灸師の手加減で調節することが可能です。
最初は誰でも鍼は怖いもの
「鍼が怖い!」と思っている方、最初の一歩を踏み出してみてください。
実は私も、最初は鍼が怖かった一人です。特にひびく感覚が嫌な刺激に感じて苦手でした。
鍼灸学校に入学した後もそんな調子だったので、実技の時間が来る度に身構えていたものです。
鍼灸師を目指しているので、「このままではまずい」と思い、学校付属の施術所に毎週通って鍼を受けることにし、徐々に慣らして行きました。そして今ではすっかり慣れ、鍼を受けるのが大好きになりました。
私たちは施術の際、説明なしに鍼を刺すことは、決してありません。最初に症状と経過を詳しく伺って、鍼の説明をしながら進めて行きます。ご不安があれば何でも聞いて頂ければと思います。
はりきゅうルームカポス(鍼灸師・柔道整復師)
地に足のついた成果を出せる鍼灸師でありたいと思っています。
何となくいい感じかも?というフワッとした鍼をするのでなく…。
その人のポテンシャルを最大限引き出す力が鍼にはあります。
お力になれたら嬉しいです。
好きな言葉は「真剣勝負」
格闘技・筋トレ・猫が大好きです!
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