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群発性頭痛

群発性頭痛とは

ある時期に集中して起こるのでこのような名前がつけられています。一度起こると連日のように続く地震のことを「群発地震」といいますが、それと似たような頻度で起こることからこの名がついたと言われています。発作が出ている期間のことを「群発期」と言います。

 

機能性頭痛(慢性頭痛)といわれる「緊張性頭痛」「片頭痛」「群発性頭痛」の中で最も痛みの強い頭痛です。割合として、群発性頭痛は慢性頭痛の約1%と言われています。

慢性頭痛の種類 痛みの質 割合 備考
緊張性頭痛 頭が重い、締め付けられるなど 70~80% 肩こりが原因で起こる
片頭痛

ズキンズキンとする

20%程度

若い女性に起こりやすい

遺伝の可能性もある

群発性頭痛 目の奥をえぐられるような激しい痛み 1% 慢性頭痛の中で最も強い痛み

 

症状

「群発期」の続く期間は、1回あたり1時間から2時間程度続きます。また症状が出現する期間は1年に1、2回から数年に1回の割合で出現します。

 

特徴的な症状としては、同じ時間(午前2時、4時など)に起こることが多く、決まった側の部位が痛みやすいです。目の奥をえぐられるような不安を伴う激しい痛みがあります。また群発期は毎日のように起こるので、いつ起こるかという不安感に悩まされます。頭痛と同側の眼の充血、涙目、鼻水・鼻詰まりなどの自律神経症状を伴うことも特徴の一つと言えます。

 

また、群発性頭痛の約10~15%は楽になる期間(緩解期)がない方もおり、慢性群発性頭痛と診断されています。 

原因

ヘモグロビン血管の拡張が引き金となっていると一般的に考えられています。偏頭痛と同様に「血管性頭痛」であり、脈拍に一致した痛みがあることはわかってきています。目の奥にある内頸動脈(ないけいどうみゃく)という脳に栄養を送るための太い血管が何らかの原因で拡張して起こるという説が有力です。

 

直接的な原因であるかはっきりしませんが、飲酒が発作を誘発することが多いため、群発期は禁酒もしくは少量を減らす方が望ましいと言えます。

男女比

偏頭痛が圧倒的に女性が多いのに対して、群発性頭痛は男性に多いです。また、20~30代に多く、発生率は女性の5〜6.5倍とも言われています。

慢性頭痛の比較 

種類 群発性頭痛 緊張型頭痛 片頭痛
男女 若い男性に多い 誰でもおきる

若い女性に多い

(女性:男性=4:1)

遅くとも30歳までに発症する

原因

不明

何かの原因で血管が拡張して痛みが出る説あり

心身ストレス

不良姿勢、肩こり

血管拡張

ホルモンやストレス

光や雑音で悪化する事も

頻度

1回あたり1〜2時間

群発期は毎日出現(1〜2ヶ月程度)

2〜3年に1回出現

ときどき〜毎日

一回数時間から数日

1ヶ月に数回

痛む部位 片側の目の奥  頭の両側、後頭部 頭の片側 (時に両側もある)
痛み方 片目の奥をえぐられるような激痛

締め付けられるような痛み

頭が重い、スッキリしない 

脈拍に合わせてズキンズキンと痛む

発作時は嘔吐や吐き気、下痢や発熱を伴う事もある

痛む時間帯

同じ時間帯に多い(午前2時、4時)

気圧の変化を感じた時(飛行機など)

いつでも起こる

ストレスを感じたとき

明け方から目覚めの時

ストレスから解放されたとき

前兆症状 目のカスミ、首のはりを感じる

肩・首の凝りを感じる

閃輝暗点が出る(※1)

特徴

目の充血、涙目、鼻水などの自律神経症状を伴う

目の病気と間違えて眼科に受診するケースが多い

痛み始めも終わりもよくわからずだらだら続く

肩こりをとの関連が深い

痛みで起き上がれないケースあり

冷やしたり、安静にすると改善しやすい

光や雑音で悪化するケースあり

飴などを舐めると改善するケースあり(低血糖が原因の場合)

(※1:閃輝暗点とは目の前にチカチカ光り、ノコギリのようなギザギザしたものがでる現象です。)

 

群発性頭痛の鍼灸治療

群発性頭痛に鍼灸治療が有効です。しかし、発作時は動けないほどの激痛があるため、現実的なところで言いますと、予防としての役割が大きいと言えます。鍼灸によって群発性頭痛が起こりにくい体に調えていくことができます。カポスの頭痛治療に関してはこちらをご覧下さい。

 

発作時の激痛を抑えるために薬物療法も有効です。

群発性頭痛の治療薬

薬と注射ここからは、群発性頭痛の薬物療法について解説します。

 

頭痛発作が起きた時に痛みを軽減させる対処的治療と、群発期に毎日服用して発作の頻度を少なくする予防的治療があります。

 

群発性頭痛の予防薬の種類や量は、症状の重さや前年の発作の頻度や程度によって決まります。そのため自分自身で発作のパターンや群発期の時期の長さ、随伴症状を含めた時間帯や持続時間をメモなどをしてしっかり把握しておくとよいでしょう。

対処的治療(急性期)

群発製頭痛は片頭痛と同様に脳の血管拡張が関係すると考えられています。対処的治療には片頭痛時に使用するトリプタン製剤が用いられます。その中で最も多く用いられるのがスマトリプタン製剤(イミグラン)の注射もしくは点鼻薬です。群発製頭痛の発作時間は短いため、即効性に優れたものが用いられます。病院に行けるのであればイミグラン注射、持ち運びではイミグラン点鼻薬と言えるでしょう。また、酸素吸入も効果が高い様です。 

群発性頭痛予防に用いられる主な予防薬

カルシウム拮抗薬

食事_薬脳血管の異常な拡張を抑えるカルシウム拮抗薬の塩酸ベラパミルが有効であると考えられています。最もデータが出ており、有効率は6割程度です。ベラパミルは服用を始めてから予防効果が現れるまでに2週間程度かかるので、症状を抑えたい時は、ステロイド薬であるプレドニゾロンを併用します。

 

副作用としては、ベラパミルは脈が遅くなる・血圧低下・むくみ・便秘などがあり、心臓が悪い人や高齢な方は特に注意が必要です。プレドニゾロンは消化管潰瘍や血糖値の上昇、肥満傾向やうつ傾向などの副作用が現れることがあるようです。飲み合わせに対して注意しなくてはいけない薬が多いので他に飲んでいる薬があれば必ず医師に相談しましょう。

抗そう薬

抗そう薬である炭酸リチウムは気分を安定させる薬ですが、脳の視床下部に作用する事から群発性頭痛に予防効果を示すとされています。副作用として下痢などの消化管症状が現れたり、肺の繊維化が起こったりすることがあるようです。また塩酸ベラパミルと服用すると、血液中のリチウム濃度が上昇するため副作用が強く出てしまうことがあります。

対処薬

トリプタン製剤

(商品名:イミグラン)

スマトリプタン(注射、点鼻薬)
予防薬 カルシウム拮抗薬

ベラパミル

プレドニゾロン(ステロイド薬)

抗そう薬 炭酸リチウム

群発性頭痛のセルフケア

深呼吸1.発作を助長する要因を取り除く

2.群発期の飲酒は発作を誘発するため、アルコールは一切避ける

3.入浴中は発作が起こりやすいのでシャワーのみにする
4.狭心症の薬のニトログリセリンは血管拡張しひどくなる恐れがあるので注意する
5.頭痛が起こりそうになったら深呼吸をする

 

患者様の声(頭痛編)

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