歯痛とは関係ないと言われたボクの頭痛
オーナーの栗原です。
1年前くらいの話です。私にも頭痛で悩んで期間がありました。この頭痛は歯痛と共に表れました。頭痛は左側、歯痛も左側でした。
虫歯ではないかと思って歯科を受診してみると、異常なしとの見解でした。「歯の痛みで頭痛がするんですよ」と歯科医師に伝えると、「歯の痛みと頭痛は全く関係ありません。」とキッパリ言われました。
しかし、歯痛と頭痛が出たのは同じ時期です。状況的に無関係と考える方が難しいです。それなのに、歯科医師は「関係ありません」と、ちょっと強めの口調で言われてしまいました。
歯科医師に私の素性を話していませんから、医療関係者であることも鍼灸師であることも、ましてや、頭痛専門の鍼灸院をやっていることも知りません。
結局、素性を明かさないまま、その歯科医院を後にすることにしました。そして、その2日後に別の歯科医院を尋ねてみました。そこでも、原因は不明でした。虫歯もないと自信をもって言われました。
行くところがなくなった私は鍼治療を選びました。「鍼灸師なら最初から選べ!」って話ですよね。感じる痛みの種類から虫歯だと思い込んでいたので、歯科に駆け込んだのです。仮に虫歯だった場合は、鍼灸で鎮痛はできても根本的な解決はできません。
2件の歯科で虫歯ではないとお墨付きをもらったわけですから、安心して鍼灸治療に取り組めます。しかも、カポスには優秀な鍼灸師が二人もいます。完全に身内自慢になってしまいますが、本当に頼りになる技術を持っています。
鍼灸には、歯痛に効くツボがあります。頭痛に効果のあるツボはあえて使わず歯痛に絞り込んで治療しました。ちょっとした意地もありましたが、頭痛が歯痛から来ていることを、きっちりと自分で体感しておきたかったのです。やってもらうと、歯痛はその直後から徐々に消え始め、数日で消えて行きました。
自分が不調になると嬉しくはありませんが、患者さんの気持ちになれるチャンスです。不安な気持ち、医療者に対する不信感、イライラ感など、感じることが全て勉強です。
さて、肝心の頭痛の話です。
歯痛が消えた頃、頭痛もすっかり消えてしまいました。二つの症状は、医学的に関連性は説明が付かないのかもしれません。でも、大切なのは目の前で起きている現実です。歯痛と同時に始まった頭痛、そして、歯痛が消えたと同時に消えた頭痛。医学的な機序が説明できなくても、この二つの痛みが関連していたことは明らかです。
さらに言えば、歯痛と頭痛という2つの痛みと考える必要はないのです。歯と頭に発生した1つの痛みと考えることだってできるのです。
私の中には、師匠から頂いた大切な言葉があります。
「答えは患者さんが持っている」
医学書から答えを探すことも大切ですが、一番のヒントを与えてくれるのは、いつも目の前の患者さんです。患者さんの訴えに耳を傾けると聞こえてくるものがあります。
私たち鍼灸師の仕事は、鍼や灸を施すだけではありません。最初から最後まで、患者さんの声や身体に耳を傾け続けることが仕事です。鍼灸はその合間にするくらいの感覚がちょうどよいのです。
はりきゅうルーム カポス オーナー(鍼灸師)
群馬に拠点を置き、東京と往復しながら慌ただしく仕事しています。効果がわかりやすい鍼灸を求めて研究の日々。その成果をカポスにどんどん投入しています。
・養気院 院長
・株式会社 活法ラボ 代表
・一般社団法人 整動協会 代表
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