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緊張型頭痛

緊張型頭痛とは

頭痛 女性イラスト緊張型頭痛とは機能性頭痛の一種で、他に偏頭痛と群発性頭痛があります。片頭痛が「血管拡張型頭痛」と呼ばれているのに対し、緊張型頭痛は「筋収縮性頭痛」と呼ばれています。

 

現在、日本人の成人の22%の方が頭痛をもっているとされ、その実に7~8割を占めています。中高年の男女に多く見られ、首・肩こりやストレスが原因で起こると言われています。

 

肩こりや頚のこりに悩まされている人に多い頭痛です。簡単に言ってしまうと、肩や頚のこりが頭蓋骨を覆う筋肉まで達してしまうことです。この頭痛は痛みというより、頭に重さを感じるのが特徴です。「痛くはないけど、頭がスッキリしない」というようなハッキリしない違和感を感じます。

頭痛の原因は肩こり

肩こり 男性頭から頚、背中(肩甲骨の間)にかけて筋肉が緊張しておこるとされています。筋の緊張が高まると筋肉内の血流が悪くなり、筋肉に痛み物質や疲労物質(乳酸、サブスタンスPなど)が溜まっていきます。その様な状態になると周囲の神経が刺激され痛みが発生すると考えます。

 

筋肉は繋がっているので、肩がこれば首もこり、頭のこりにつながります。頭の筋肉がこることで、頭蓋骨をギュッと締めてしまいます。痛みの部位は後頭部、側頭部、顔面と額、頭頂部と広い範囲に起こります。「鉢巻きで頭を締め付けられている様だ」と言われる所以です。

筋肉を緊張させる理由

緊張型頭痛は、首・肩こりが深く関与しています。ではその首・肩がこる原因を突き止めていきたいと思います。まず、大きく身体的なストレスと精神的なストレスの2つに分けることができます。

身体的ストレスによるもの

タイピング_イラストまず、現代病と言われるパソコン作業があげられます。無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって頚や肩の筋肉が緊張します。緊張し続けることにより凝りが生まれ筋肉の悪循環を生む事になります。

 

また、冷えというのもとても筋肉を緊張させる要因として重要です。体は筋肉(表面は皮膚ですが)で覆われているので、冷えることで筋肉が収縮してしまい血流悪化に繋がります。血流悪化が起こることで痛みを引き起こすことになります。

 

同様に運動不足も筋肉を動かしていないので、緊張して硬くなります。機械に例えるとわかりやすいかもしれません。新品の機械と比べて動かしていない機械または手入れをしていない機械は格段に動きが悪くなり、かつエネルギーを使います。人間はさびる事はありませんが、使っていない筋肉と言うのは動きが悪く、何より硬くなり使いにくくなります。

緊張性頭痛 絵

精神的ストレス

ストレス_女性片頭痛がストレスから解放されてホッとしたときに起こりやすいのに対して、緊張性頭痛はストレスにより頭や首を囲む筋肉が過剰に緊張しておこる傾向があります。精神的に長時間ストレスを感じると人は体を硬くしてしまうのでそれが原因になっているようです。

 緊張型頭痛が起きやすい人とは

機能性頭痛である片頭痛、群発性頭痛に比べ男女差がないことが特徴になります。また、年齢も子供から年配の方までどなたでも起こります。一般的に心身的ストレスを溜めやすい生真面目な方が多いようです。

 

この頭痛の方は、肩こりや首のこりのアプローチが必要です。普段から緊張しすぎて硬くなっている筋肉を和らげ血流の循環を正常にしなくてはなりません。血流の循環を良くする事によって、痛みの原因となる物質や老廃物が排出されるので、頭の重さや締め付けられる感じから解放されます。 

肩こりがあれば緊張型頭痛?

緊張型頭痛は肩こり・首こりの仲間で頭のこりと言えます。なので肩こりがあると緊張型頭痛だと思ってしまいます。でも、すぐに判断をしてはいけないのです。頭痛の前兆症状にも肩こりがあるからです。肩こりの”有る””無し”だけで片頭痛と緊張型頭痛は区別できませんので注意が必要です。

レントゲンと頭痛・肩こりの関係

肩こりによって、めまい、眼精疲労、集中力低下、腕ののしびれなどを引き起こしているケースは多々あります。そもそも、肩こりの原因を突きとめようと頚椎(頚の骨)をレントゲンで撮ると、中高年の女性には何らかの異常があることが多いようです。重い頭を支える頚はデリケートな関節です。ですから、どうしても骨は少しずつ変形してしまいます。もちろん、そのほとんどは身体に影響のないわずかな変形ですから気にすることはありません。

頚椎の変形と頭痛の関係

人体2たとえば頭痛があって肩こりがある患者さんが病院でレントゲンを撮ったとします。頚椎(頚の骨)に少し変形があることがわかりました。さて、この患者さんは頚の骨の異常が原因で肩こりとなり頭痛になったのでしょうか?

 

答えは「はい」でもあり「いいえ」にもなり得ます。レントゲンで頚椎の異常があることがわかったことが紛れもない事実です。でも、この異常はいつ起こったものでしょうか?強い衝撃が原因の場合もあるでしょう。しかし、そのほとんどは“徐々に”なんです。ですから、この頚椎の異常が肩こりが辛くなった時期と一致しているかは確認できないのです。しかも、肩こりも自覚症状に過ぎませんから、肩こりと正常の境界線はあいまいなのです。

 

つまり、レントゲンで微妙な骨の変形しか認められない場合、診察の参考にしかならないということです。ですから、患者さん本人から聞き出す頭痛の症状がとても大切なのです。そうすれば、レントゲンの結果と合わせて総合的に判断できます。総合的な判断をしてもらうためにも、自分の頭痛は細かくチェックしておきましょう。適切な治療、適切なアドバイスをもらって煩わしい頭痛を早く治してしまいましょう。

 

頭痛治療

頭痛薬

薬服用 緊張型頭痛の薬では、病院でもらえる薬と薬局で買える薬とに分ける事ができます。病院でもらえる処方薬は、鎮痛薬や筋弛緩薬、抗うつ薬や抗不安薬が処方されます。まず痛みに対して鎮痛薬であるアスピリンやイブプロフェン、抗うつ薬として塩酸アミノトリプチリン、筋弛緩薬では塩酸エペリジンや塩酸チザニジン、抗不安薬としてジアゼパムやエチゾラムが使用されます。 

 

市販薬は処方薬と違い、鎮痛薬しかありません。また、薬剤師がいなくても購入出来るものが多く、有効成分が処方薬と比べ3分の1程度に抑えられています。だたし、最近ではスイッチOTCと呼ばれる、病院で処方されていたものを市販薬として販売している薬が増えて来ています。長年のデータで有効性や安全性に問題ないと判断され承認された薬ですので通常の市販薬より効果が高いです。

 

 処方薬(病院)    市販薬(OTC薬)

アスピリン、イブプロフェン、無水カフェインなど

鎮痛薬

バファリン、ノーシン、ナロンエースなど

スイッチOTC) イブ、ロキソニン、セデスハイなど

塩酸アミノトリプチリン 抗うつ薬   
塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン 筋弛緩薬   

ジアゼパム、エチゾラム

抗不安薬   

 

緊張性頭痛のセルフケア

緊張型頭痛は頚肩やその周辺の緊張から起きます。その緊張を取る事が重要になります。

心と身体をリラックスさせることが大切です。038955

デスクワークなど長時間同じ姿勢で仕事をするときは席をたってストレッチや体操をしましょう。

マッサージや入浴など、筋肉を温めて血流をよくするため、頭痛緩和効果があります。

水泳やウォーキングなどの有酸素運動を取り入れると血流が改善するので頭痛予防によいです。
蒸しタオルなどで頚の後ろを温めると血流が改善して筋肉の緊張が緩みます。
眼鏡や枕を自分に合ったものを使用するとよいです。

 

患者様の声(頭痛編)

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