まぶたの動きが悪い、口から水が漏れる、あごがしびれる
症状
来院1週間前。突然、左耳の後ろが痛くなった。風邪だと思って市販の薬を飲んで対応した。
ところが翌日、あごに触れても感覚がなく、お茶を口に含むとこぼれてしまった。
普通でないことを察し病院に行くと、顔面神経麻痺(左)と診断された。
ヘルペスウイルスの増殖を抑えるパルトレックスを処方され「1ヶ月ぐらいで治るのではないか」と言われた。
しかし、症状は日に日に悪化したため来院。
顔の左側全体が、麻酔がかかったように重く落ちている。
まぶたをしっかり上げられず、しっかりと閉じることも出来ない。
あごはしびれている感覚が常にある。
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来院者
女性
50 代
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期間
2014年10月 ~ 2014年12月 -
頻度
週2~3回 -
通院回数
11回~15回
施術と経過
重度の麻痺であったため、段階的に「まぶたをしっかりと開く」、「まぶたをしっかり閉じる」「口のしびれが無くなる」「口がスムーズに動く」と基準と決めて施術を開始した。
頚やあごの筋肉に緊張が見られたため、臀部、手、足、背中に鍼をして緩めていった。
初回から改善の兆しが現れた。まぶたのうごきが軽くなり、動かしやすくなった。
5回目の施術後には、最初の目標である「まぶたをしっかりと開く」を達成した。
6回目の施術後には、「まぶたをしっかり閉じる」を達成。
マスクを外しても顔に麻痺があることを他人に気付かれない程度まで回復した。
11回目の施術で、口のしびれが消えた。
13回目の施術で、口が違和感なくスムーズに動くようになり、顔面の違和感も消えた。
使用したツボ
まとめ
幸い、発症後1週間と早期に施術を開始することができたため、速やかに改善した。
原因として考えられたのは極度の疲労である。治療中も、肉体疲労と心労を訴えていた。
顔面神経麻痺の背景には、頚やあごの筋肉の緊張が隠れている。
その緊張を緩和させると、回復を促すことができる。