鍼灸師は女性の方が得、って本当?
新規でお問い合わせを頂いた患者さんから「女性のスタッフでお願いできますか?」と聞かれる事があります。
”女性ならではの細やかな気配り・柔らかさ・共感力……”
たしかに女性のイメージされる事と治療(癒しも含む)の相性は良さそうです。
女性患者さんの場合、身体を預ける事への抵抗感や気恥ずかしさから、同性のスタッフにお願いしたい、と言う気持ちが生まれるのは分かります。
私はこんな言葉を同業者から言われたこともあります。
女性患者さんが男性施術者を嫌がるケースは多い
でも……、
本当にそうなのでしょうか?
”肌を出す施術でも、女性鍼灸師ならば患者さんに抵抗なく受けてもらえる” って本当?
鍼治療は肌を出してもらわないとできないものです。
肌を見せることは日常ではあまり起こらない出来事なので、必然的にナイーブな話になります。
そもそも「女性同士だから、女性患者さんの肌をがっつり露出させてもOK」なんていう事実はありません。
もし「女性同士だから」を言い訳にして露出に対して無頓着な施術をしているとしたら……。
それは怠慢です!!
私はむしろ「女性同士なのだから、ハードルを高くされているかもしれない」ぐらいに思っておいた方が良いのでは、と考えています。
「同じ女性だから丁寧にやってくれるはず」という言葉に出さない期待があるかもしれないからです。
当たり前だと思っている事が、当たり前じゃなかったら……患者さんのガッカリ感も倍増。
すぐに信頼を失ってしまいます。
同じ女性だからこそ、肌を出す際は事前の声がけや恥ずかしさを感じないような触れ方ができるように心がけています。
「施術者が男性から・女性だから」という差が生じない配慮
取り組み① 患者着を有効活用!
美容メインの施術で見かける、大小タオルを何枚も使って身体を覆い、肌の露出を最小限に抑えるタオルワーク…。
鍼灸院においては、それが最善ではないと思います。
的確に身体の状態を把握するためには、身体全体をしっかり診る事が必要!
鍼をする部分だけを小さく肌を出していれば良い訳ではありません。
それならばどうするか?
患者着を有効活用するのです!
患者着を上手に使えば、診たいところだけをこんな風に開けて施術することができます。
こんな感じに。
恥ずかしさは最小限に、でも効果は最大限に。
患者着を使って、良いところ取りをしています。
取り組み② スタッフと練習する時は率直な意見をフィードバック!
「その触り方は嫌だ」
「ここまでなら肌を出されても気にならないよ」など、
練習で感じたありのままの意見は貴重な財産です。
例えばお尻の施術。
ざっくばらんに言い合えるのはスタッフ間の信頼があるから。
お尻を出すときの恥ずかしさはありますが、それを無駄にしないぜ!精神で取り組んでいます。
取り組み③ 生理的な嫌悪感を抱かれないよう、スタッフ同士でチェックしあう!
白衣を着ている職業なら、清潔感がなくては話になりません。
清潔感のなさは生理的な嫌悪感に直結します。
患者さんに「なんか……イヤ」と思われたら終わりです。
・ニオイ(体臭、口臭、香水、飲食店の残り香もNG!)
・衣類の汚れ
・髪の毛
・ヒゲ
・肌のコンディション など。
時には率直な言葉でダメ出しもします。
患者さんはイヤな思いをしても指摘してくれません。ただ何も言わず来院してもらえなくなるだけです。
イヤな思いをさせてしまった本人は気がつくこともできません。
スタッフ間は神経質くらいで丁度いいと思っています!
***
結局のところ、性別に関わらず、きちんと配慮できるならばその人は鍼灸師に向いていると言えるでしょう。
「鍼灸師は女性の方が向いている」だなんて、単なる一面だけ捉えた言葉に過ぎません。
思考を止めずスタッフ間でお互いに助け合い、これからも知恵を出し合っていくことに意味があると思います!
はりきゅうルームカポス(鍼灸師・柔道整復師)
地に足のついた成果を出せる鍼灸師でありたいと思っています。
何となくいい感じかも?というフワッとした鍼をするのでなく…。
その人のポテンシャルを最大限引き出す力が鍼にはあります。
お力になれたら嬉しいです。
好きな言葉は「真剣勝負」
格闘技・筋トレ・猫が大好きです!
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