群馬研修日記・坂口編(3) 最初から養気院に通うつもりだった突発性難聴の患者さん
坂口です。
(2)「偉大なバカヤロウへの道」のつづき
研修三日目の今日、初診の患者さんの問診を見学しました。
主訴は突発性難聴です。
病院を受診した後それだけでは不安なので、藁をもすがる思いで調べたところ、養気院を知り、来院したとの事でした。
発症の経緯から始まり、現在の状況に至るまで丁寧な問診が行われます。その後ベッドに移動し患者着に着替えて頂き、座位での触診が始まりました。
突発性難聴に関するツボを一つ一つ丁寧に触診し、「ここの感じどうですか?」と尋ねる栗原オーナー。
一方、患者さんは「うーん…あんまり…わたし、マッサージとか受けても痛いとか感じた事ないんですよね」と答えます。
それを見て「患者さんのリアクションがあまり良くない…もし自分が臨床であんな感じになったらどないしよ…」なんて考えていました。
そして、患者さんに仰向けに寝て頂き、手と足に1本ずつ鍼をして、10分の置鍼を行いました。
その間スタッフルームに戻っていると、栗原オーナーが
オーナー「問診の時、どういう経緯で来院してたか、覚えてる?」
坂口「・・・まず病院に行って、それでも不安で、ネットで調べたら、鍼が良いらしいって書いてあって、近くで通える所を探して、行くなら突発性難聴の治療の実績があるところだと思って・・・とおっしゃってましたね」
オーナー「そう…通えるところを探して、って言ってたよね」
坂口「はい」
オーナー「って事は、最初から通うつもりだよね」
坂口「そうですよね」
オーナー「ところで、経営書なんかにはリピート対策の方法が書いてあるけど、本当に必要なのかな・・・?」
坂口「・・・確かに!」
オーナー「そもそもだけど、リピートを意識するって事は、何もしなかったら患者さんはリピートしないって事だよね。でもさっきの患者さん、通える所を探したって言ってたよね。通うつもりの患者さんが通わないって場合、期待を裏切ったってことだよね~。」
坂口「そうですね…。実は、さっき触診中に患者さんのリアクションが薄かった時に、自分がああなったらどうしよう、って思ったんです。でも栗原先生、勉強会で『身体に鍼をして何も起きないわけがない』っておっしゃってましたよね。だとするならば、突発性難聴の患者さんの身体には、そもそも何かしらの変化が“必ず”起きているわけですよね。その変化に気がつけなければ、自信を持って突発性難聴の治療はできませんよね?」
オーナー「そうだね~」
ざわ…ざわ…
なんてこった…
ざわ…ざわ…
これって、まさに私が知りたかった情報なんじゃ…
ざわ…ざわ…
いや…でも何か…何だこの不安な気持ちは…
ざわ…ざわ…
知りたかった情報を知っているはずなのに、知らなければ良かったような…
ざわ…ざわ…
何なんだ…この胸のざわつきは
ざわ…ざわ…
ざわ…ざわ…
ざわ…ざわ…
ざわ…ざわ…
何なんだーッッ!!?
次回予告「ついに求めていた鍼灸のスタイルに出会った坂口、しかしそれとは裏腹にざわつく心。知らなければ良かった…いやそんなはずはない!まだ研修は始まったばかりなのに、どうなる坂口!」
つづく…(4)「休みでよかった養気院」
はりきゅうルーム カポス(鍼灸師)
本物の鍼を追究するために大阪からやってきました。
患者さんに「鍼って本当に効くんですね」と言ってもらえた時に、鍼灸師としてのやりがいを感じます。
好きな言葉は「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」 趣味はサウナ。
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