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群馬研修日記・坂口編(3) 最初から養気院に通うつもりだった突発性難聴の患者さん

" スタッフ研修, 坂口友亮 "

2016年5月13日

坂口です。

 

(2)「偉大なバカヤロウへの道」のつづき

 

研修三日目の今日、初診の患者さんの問診を見学しました。

 

主訴は突発性難聴です。

病院を受診した後それだけでは不安なので、藁をもすがる思いで調べたところ、養気院を知り、来院したとの事でした。

 

発症の経緯から始まり、現在の状況に至るまで丁寧な問診が行われます。その後ベッドに移動し患者着に着替えて頂き、座位での触診が始まりました。

 

突発性難聴に関するツボを一つ一つ丁寧に触診し、「ここの感じどうですか?」と尋ねる栗原オーナー。

 

一方、患者さんは「うーん…あんまり…わたし、マッサージとか受けても痛いとか感じた事ないんですよね」と答えます。

 

それを見て「患者さんのリアクションがあまり良くない…もし自分が臨床であんな感じになったらどないしよ…」なんて考えていました。

 

そして、患者さんに仰向けに寝て頂き、手と足に1本ずつ鍼をして、10分の置鍼を行いました。

 

その間スタッフルームに戻っていると、栗原オーナーが

 

オーナー「問診の時、どういう経緯で来院してたか、覚えてる?」

 

坂口「・・・まず病院に行って、それでも不安で、ネットで調べたら、鍼が良いらしいって書いてあって、近くで通える所を探して、行くなら突発性難聴の治療の実績があるところだと思って・・・とおっしゃってましたね」

 

オーナー「そう…通えるところを探して、って言ってたよね」

 

坂口「はい」

 

オーナー「って事は、最初から通うつもりだよね」

 

坂口「そうですよね」

 

オーナー「ところで、経営書なんかにはリピート対策の方法が書いてあるけど、本当に必要なのかな・・・?」

 

坂口「・・・確かに!」

 

ショック

 

オーナー「そもそもだけど、リピートを意識するって事は、何もしなかったら患者さんはリピートしないって事だよね。でもさっきの患者さん、通える所を探したって言ってたよね。通うつもりの患者さんが通わないって場合、期待を裏切ったってことだよね~。」

 

坂口「そうですね…。実は、さっき触診中に患者さんのリアクションが薄かった時に、自分がああなったらどうしよう、って思ったんです。でも栗原先生、勉強会で『身体に鍼をして何も起きないわけがない』っておっしゃってましたよね。だとするならば、突発性難聴の患者さんの身体には、そもそも何かしらの変化が“必ず”起きているわけですよね。その変化に気がつけなければ、自信を持って突発性難聴の治療はできませんよね?」

 

オーナー「そうだね~」

 

 

ざわ…ざわ…

 

なんてこった…

 

ざわ…ざわ…

 

これって、まさに私が知りたかった情報なんじゃ…

 

ざわ…ざわ…

 

いや…でも何か…何だこの不安な気持ちは…

 

ざわ…ざわ…

 

知りたかった情報を知っているはずなのに、知らなければ良かったような…

 

ざわ…ざわ…

 

何なんだ…この胸のざわつきは

 

ざわ…ざわ…

 

ざわ…ざわ…

 

ざわ…ざわ…

 

ざわ…ざわ…

 

何なんだーッッ!!?

 

次回予告「ついに求めていた鍼灸のスタイルに出会った坂口、しかしそれとは裏腹にざわつく心。知らなければ良かった…いやそんなはずはない!まだ研修は始まったばかりなのに、どうなる坂口!」

 

つづく…(4)「休みでよかった養気院」

この記事を書いた人

はりきゅうルーム カポス(鍼灸師)

本物の鍼を追究するために大阪からやってきました。

患者さんに「鍼って本当に効くんですね」と言ってもらえた時に、鍼灸師としてのやりがいを感じます。

 

好きな言葉は「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」 趣味はサウナ。

 

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