ご当地花粉症
北海道に花粉はない?
道南(函館や松前)では本州の影響を受けるため、スギが生息しています。そのためスギ花粉症が存在します。北海道全体の数字としては3%と言われており、日本の平均値(25%)と比べるとものすごく低い数値だといえます。
しかし、北海道にはご当地ならではの花粉症が存在します。それは「シラカバ(シラカンバ)」と「ハンノキ」です。
さらに、日本独特の気候も左右してきます。本州では夏の季節に訪れる鬱陶しい季節「梅雨」ですが、北海道はほとんどありません。それはつまり「乾燥している」とも言い換えることができます。
この夏の間に乾燥していることが原因でイネ科のカモガヤ・ハルガヤ・オオアワガエリなどが花粉を飛ばしていきます。本州の梅雨は、夏花粉症患者からすると恵みの(梅)雨なのですね。
北海道ご当地花粉症は、「シラカバ」「ハンノキ」、そして「カモガヤ・ハルガヤ・オオアワガエリ」となります。この花粉が多いのがヨーロッパ、特にイギリスです。北海道は日本より欧州の花粉事情と近いのですね。
シラカバ
「白い樹皮のカンバの木」という意味で、別名シラカンバと呼ばれます。
高原に多く存在しているため、長野県や北海道に多く分布しています。
そのため長野や北海道にシラカバ花粉症は多く存在します。世界的に見るとスカンジナビア半島に多いようです。
スギと同じく風媒花。主に5月から6月に花粉が飛び始め、夏に近い時期に花粉症の症状が出現します。
口腔アレルギー症候群(OAS)
花粉症とともに同時に引き起こされやすいものとして「OAS」と呼ばれる口腔アレルギー症候群です。これは特定した食べ物を摂取することにより、痒み・ピリピリ・イガイガなどの症状が口・唇・のどなどに出る、一種の食物アレルギー症状です。
特にシラカンバ花粉症と口腔アレルギー症候群は密接な関係にあり、シラカンバ花粉症の方がリンゴを食べたらアレルギー症状が出たという話は有名です。
ハンノキ
湿地に多く、燃やすと良い炭が出来ることもあり全国各地に生えています。特に多い地域は北海道と六甲山に分布してます。
また、シラカンバと共通抗原性があるため、シラカンバとハンノキの花粉症を併発される方が増えて来ています。
カモガヤ
夏の花粉症の代表的なアレルゲンです。オーチャードグラスとも言われ、5月から7月に花粉が飛散します。
ヨーロッパが原産地で、明治時代初期に日本に輸入されてきました。
イネ科の植物の中でも、アレルギー発症率は高く、野生化も多くしております。
日本では、子供の発症率が高く、また北海道にはカモガヤの花粉症患者が非常に多いと言われています。
ハルガヤ
カモガヤと同じく、夏の代表的なアレルゲンです。カモガヤと同じくヨーロッパが原産地で、輸入された物が野生化し全国に分布しています。
花粉の飛散時期としてはカモガヤよりやや早く、4月から6月に飛散します。
また、カモガヤ・ハルガヤ・オオガワガエリの外来種は花粉を放出する量が多いため花粉症になりやすいと言われています。
オオガワガエリ
カモガヤ、ハルガヤと合わせてヨーロッパから輸入された外来イネ科3種の一つです。畑や河川敷に多く、日本のいたるところで野草化し分布しています。
花粉の飛散時期としてはカモガヤとほぼ同時期ですがやや長く、5月から8月に飛散します。牧場従事者の職業病とも言われており、実際ヨーロッパの花粉症にイネ科が多いのも牧場従事者が多いからなのでしょう。