セルフケア
対策1 マスク
花粉症の方の必需品です。マスクの効用は以下の通りです。
侵入の予防 | 空気中の浮遊物を体内に取り込まないように予防します |
飛散の予防 | 口や鼻からの分泌物(ウイルスなど)が飛ぶことを防ぎます |
保温、保湿 | 鼻からのどまでの湿度を高め、侵入したウイルスの増殖を抑えます |
日本人の約25%が花粉症と言われており、その代表的なものはスギです。それ以外にはブタクサやヒノキ、ハンノキなどが有名です。
これらの花粉が体内に侵入すると、人間の身体はそれらを取り除こうと鼻水で洗い流そうとしたり、くしゃみで外に吹き飛ばそうとします。
花粉症の4大症状は「くしゃみ・鼻水・鼻つまり・目のかゆみ」です。花粉症対策において最も大切なのは花粉の侵入を予防することです。それぞれお顔の形や大きさが違いますので、その方に合ったサイズや形状を探すことが花粉症のマスク選びでは重要です。
マスクの選び方
最近ではマスクもいろんな種類が発売され、花粉症・PM2.5専用、防塵専用、お化粧が落ちにくい物、めがねが曇らない物、喉を潤すためのシートが入っている物などがあります。これらを用途で分けると3つに分類されます。
家庭用マスク | 花粉や風邪などに用いる一般的なマスク。薬局などで販売してます。 |
医療用マスク | 手術の際に使用する感染防止用のマスク。 |
産業用マスク | 防塵を目的としたマスク。 |
ここでは、家庭用マスクの中でも花粉症に適しているマスクを紹介します。
フィルター性能
フィルター性能がいいマスクはとても重要ですが花粉症では呼吸のしやすさも重要になってきます。花粉の粒子は20~30μmですがウイルスは3~5μmとかなり小さいので風邪用のマスクではなく花粉症用のマスクを選んだほうが呼吸しやすい物になります。またフィルター性能を表す「PFE」は99%以上の物を選んだほうがよいです。
フィット感
マスクを選ぶ際に鼻の所に隙間が出来てしまうと高性能フィルターのマスクの効果が半減してしまいます。マスクの形状によりフィット感が異なってきます。
平型マスク
通常良く目にするマスクです。保湿、保温能力に優れていて花粉症用のマスクも多く発売されています。フィット感は鼻の所のワイヤーで形を調節できますが多少隙間が出来て花粉の侵入を許してしまう可能性があります。
立体型マスク
人間の顔の形に合わせて作られているマスク。他のマスクに比べるとフィット感に特化した形状になっています。平型マスクに比べ隙間が出来ないので花粉の侵入が少ないです。花粉症がひどい方は立体型マスクをしている割合が高いです。女性は口紅がつきにくいのも特徴です。
対策2 市販薬
市販薬にはリスク(副作用)に応じて分類されており、高い方から第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品、医薬部外品と分類されています。
リスクが高い第一類に関しては、薬剤師から書面を用いての説明を受けなければ購入できません。
第二類、第三類医薬品は登録販売者が居る店舗で購入することが出来ます。
花粉症の薬では、抗ヒスタミン剤(症状を抑える効果が強い反面、眠気等の副作用も強い)が第一類から第二類になりました。また、最近では抗アレルギー薬も第二類に変更になっているものもあります。
対策3 手洗い&うがい(鼻うがい)
とても簡単で、誰にでもすぐに実行できるのが手洗い、うがいです。
風邪の時と同様の理由になりますが、花粉を洗い流し体へ侵入しないようにします。
手洗い
風邪の予防で、外出後には手に菌やウイルスがたくさんついているので重要と小さい時から教わっていると思います。花粉症では症状が目や鼻にあるので、重要と思われていない方もいるかも知れません。
手、特に爪の間に花粉が溜まりやすく、目を掻いたときに爪の間に溜まっていた花粉が目にいき症状が悪化…という可能性もあります。外出先や家に帰った時には手洗い、うがいを心がけましょう。
うがい
外出の際は特にそうですが口で呼吸する以上、口の粘膜に花粉が付着する可能性が高くなります。
うがいをすることで外から持ち込んだ花粉を体外に掃き出しましょう。
・正しいうがいの仕方
1、手を洗ってから水を口に含み、「グチュグチュ、ペッ」と口の中をゆすぎ吐き出します。いきなり喉うがいをしてしまうと口の中の花粉や雑菌が喉に運ばれてしまいます。
2、今度は上を向いて約15秒程度、喉のうがいをします。この時「おーー」と言いながらやると喉の奥まで水が行き渡ります。これを2~3回行います。
・うがいする時はなにがいいの?
お水でも十分効果があります。より良いのが重曹や緑茶といわれています。
重曹はうがいの効果と共に虫歯予防や口臭予防にもなります。口内が酸性になると虫歯や口臭が出始めます。重曹は弱アルカリ性の性質があるのでそれを中和してくれる働きがあります。食品用重曹を使えば体には全く問題ありません。
100mlの水に小さじ半分程度の重曹を入れ、よくかき混ぜれば完成です。濃度が濃すぎると口内の粘膜が荒れてしまうので注意しましょう。
緑茶はカテキンが含まれていて、殺菌作用が期待できます。緑茶だからうがいしたものを飲み込まないようにお願いします。
市販されているうがい薬でも構わないのですが、まれに粘膜を痛めてしまう恐れもあります。
鼻うがい(鼻洗浄)
最近でこそ名前が広まっている「鼻うがい」。口でするものと同じく、鼻でうがいをします。口でのうがいと違うことは「鼻」から吸って「口」から出すことです。花粉症に効果的と言われていますが…とても痛そうです。なぜかというとプールに入って鼻に水が入った時と状況が同じだからです。
<鼻うがいの際に鼻が「ツーン」と痛くなる原因>
1.温度差
2.液体の性質
3.水(液体)の鼻にぶつかる圧力
<鼻うがいの際の注意点>
2.鼻から吸ったぬるま湯を飲み込まない事
3.鼻に水が残っている状態で鼻を強くかまない事
体内の水分に近い成分の方が粘膜への負担は少なくなります。ドラッグストアでも生理食塩水が売られていますが、自宅でも近いものを作ることが出来ます。200mlのぬるま湯に2g(ティースプーン1杯分)を加えると約0.9%の食塩水ができあがります。これが生理食塩水の役割をして鼻への刺激を和らげます。
生理食塩水が出来上がったらこれを鼻から吸い込みます。鼻から吸った液体は飲み込まないように喉を絞めるようにして吸い込むのがポイントです。
ある程度口に液体がたまったら吸うのをやめ、口から吐き出します。吐き出しても鼻の奥に液体が残っている場合があり、違和感があります。その際は決して強く鼻をかまないようにしてください。強くかんでしまうと耳に入り中耳炎などになる恐れがあります。頭の角度を変えたりしながら自然し出てくるようにしましょう。
鼻うがい上級者になってくると、右の鼻から左の鼻へ通すなど自在に操ることができます。まずはしっかりと注意点を守り鼻うがいへの恐怖心を取り去って下さい。
対策4 外出時の注意(時間帯・装備)
外出するということは、飛散している花粉と相対するわけですから準備が必要です。
なるべく身体に触れないということをふまえて考えて行きましょう。
花粉が飛散していない日や時間帯を選ぶ
一般的に花粉が多く飛散している時間帯は午後1時~3時と言われています。早朝や夕方は比較的飛散量もすくないです。今ではリアルタイムで花粉の飛散情報がインターネットで見れるようになっているので、お出かけの際はチェックしましょう。
・雨が降った翌日の晴れた日は注意!
雨が降ると花粉は粘着性を増し地面にたまります。その花粉が晴れて乾燥すると一気に舞いますので花粉を吸い込む量はかなり多くなってしまいます。よって雨上がりの晴れた日は花粉飛散量がかなり多いので外出を控えましょう。
室内に花粉を持ち込まない方法
室内に持ち込まれる花粉の約8割が衣類に付着した花粉が影響しています。衣類を選ぶポイントは花粉が付着しずらく、付着しても払い落としやすい物です。ナイロン製のダウンジャケットや革製品がオススメできます。
もう1つ大切なのは髪の毛です。髪の毛は花粉を吸い込みやすく、中に入るとなかなか取れません。帽子をかぶることによって花粉が髪の毛に付くのを防ぎます。ツルツルしたナイロン製だと尚よいです。