1)外科医は見た!
第1回 初めての鍼治療体験
先日、鍼灸院で生まれて初めての鍼治療を受けて来ました。
雑誌企画の座談会でご一緒した鍼灸の先生に、腰痛と肩こりについて相談したところ、ぜひ一度経験してはいかがですかと、お誘いを受けたからです。場所は品川駅から歩いて約5分の「カポス」という鍼灸院。
外から見れば普通のマンションの一角にありました。
本当にココかなあと思いながら9階へ。確かに入口には「カポス」の看板が掛けてあります。普通にドアを開けると先生が笑顔で出迎えてくださいました。
内装は、入口からは予想できないくらいとてもきれいで、治療をする部屋も問診を聞く部屋も清潔感が感じられます。
まず10分くらい問診を受けます。あらかじめ問診票につらいところを書いておくのですが、僕は以前より腰痛と肩こりがあり(座っている時の姿勢が悪いからでしょう)、そのことをお伝えしました。
治療衣に着替えてまずは痛いところのチェックを先生がしてくださいます。先生が「ここですね。」とピンポイントにおっしゃったところがだいたい痛いところと一致しています。ここら辺はさすがですね。
実際に痛いところは肩や腰なのですが、鍼を打つところは足の甲とか肘でした。これこそが体験してみたかった「東洋の神秘」で、僕らの扱っているものとはやはり違いますね!鍼の感覚は、「さす」こと自体はほとんど痛くありませんが、先生のおっしゃる「ツボ」に鍼先が到達したときは重い不思議な感覚があります。
ただ、初めての経験でしかも見えないところで行うため、情けない話ですが不安感が先行し、ちょっと大げさに反応してしまいました。やはり、体に鍼をさすというのはちょっと怖いもんですよね。
自分が患者さんに痛みを伴う行為を行うとき、これからはもっと不安を取ってあげてから行おうと思いました。
本当に鍼灸の鍼は「痛く」はありませんでした。みなさんも経験されるときはそんなに怖がらなくてもよろしいかと思います。
ところで、もっとも重要な「効果」ですが、確かに首の「こり」は自分で触った感じでも施術前より和らいでいました。先生もおっしゃっていましたが、ある程度時間をもって評価してくださいとのことでした。
60分くらいで治療は終了。あとは雑談をして帰路につきました。
総合的な感想としては、経験してみてとてもよかったと思います。
痛みに関しては、一番症状がひどい時に来院したわけではなかったので何とも言えませんが、1週間後にも症状は出てきません。「効果あり」と思いますが、これはもう少し様子を見てみます。
僕が経験した部分はこの世界のほんの一部なのでしょうけれども、自分がいま携わっている「外科」という世界や「がん医療」とどういうコラボレーションができるのか、患者さんにとってさらにいいサービスが提供できるのではないかと考えていると、なんだかわくわくしてきますよね!
第2回は、もう少し「鍼灸の世界」に近いペインクリニックや整形外科との比較をお知らせしたいと思います。