NEW仕事中の会話が聞き取りにくい左耳の難聴と耳鳴り
症状
カウンセラーとして勤務する患者が、四ヶ月前より左耳の聞こえにくさ、耳鳴り、耳詰まりを自覚している。一度改善傾向にあったものの、一週間前に耳のつまり感が強くなり、再度聴力低下を感じていた。耳鳴りと耳詰まりは同時には起こらず、日によって症状の程度に変動がみられた。医療機関にて「感音性難聴」と診断されている。仕事中、クライアントの声が聞き取りづらい状況であった。また、肩こりや顎周りの不調、不眠も併せて認められた。
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来院者
女性
60 代
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期間
2023年6月 ~ 2023年7月 -
頻度
週2~3回 -
通院回数
6回
施術と経過
初診時、肩こりと顎周りの不調が認められたため、顎の可動性改善を目的として背部、腰部、手部のツボに施術を行った。初回施術後、3日間ほど耳鳴りの軽減がみられた。2回目以降は肩こりへのアプローチも加えて施術を実施した。4回目の時点で聴力は改善し、日中の耳鳴りは消失したが、夜間から早朝にかけての耳鳴りは残存していた。耳鳴りの音質に変化がみられ、不眠症状も徐々に改善傾向を示した。
使用したツボ
まとめ
本症例は「感音性難聴」に伴う聴力低下と耳鳴りに対し、顎周りの機能改善と肩こりの緩和を目的とした施術を計6回実施した。直接的な耳への施術は行わず、顎の可動性改善と肩こりの緩和を通じて症状の改善を図るアプローチを選択した。その結果、聴力低下は改善し、日中の耳鳴りは消失、夜間の耳鳴りも軽減がみられた。また、併存していた不眠症状も改善した。本症例から、耳症状に対する施術において、顎や肩周りへのアプローチが有効である可能性が示唆された。