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2)活法研究会の設立

活法研究会の設立

膨れあがる危機感

活法を練習する栗原活法に感動した私。喜んでばかりではいられませんでいた。その感動と同じくらい大きな危機感に襲われたのです。「活法が治療業界に広まったらどうなるのだろう…」と不安を感じながら過ごしていました。なぜ、これほどの技術が広まっていなかったのか。それは、もともと活法が一子相伝だからです。ひっそりと伝えられてきたものです。碓碓井流活法も非公開の勉強会があるだけでした。

 

5年先には何が起こるかわからない時代です。この技術がいつどのようにしてオープンにされるかわかりません。源流、亜流と言われるものが表舞台に出るのは時間の問題だと考えました。この技術が放っておかれるはずがないと確信していたからです。

 

私は、田舎で小さな鍼灸院を営む身。保険の効かない自由診療ですから、患者さんに選ばれなくなったらすぐ廃業です。実力や魅力は相対的に決まるものですから、いつ圏外になっても不思議ではないのです。

 

活法は自己防衛という意味でも重要になりました。自分が驚くような結果を出せば出すほど、危機感を抱くようになりました。この技が整体師の常識になっていけば差別化できなくなると利己的なことで悩むようになりました。しかし、守ることの方がリスク。考えを改め活法を普及させる方向に転じたのです。

 

免許を取っても食べていけないと言われている鍼灸師。志半ばにして退く人は後を絶ちません。一般には知られていませんが、鍼灸で生計を立てることは容易くありません。活法は、将来を真剣に考える鍼灸師の希望になると考えました。もし、鍼灸を使うチャンスがすぐに来ないとしても、活法で患者さんがよくなればチャンスを待つことができます。

鍼灸師のための

活法研究会のイメージ橋本を筆頭に組織された会は「活法研究会」と名付けられました。鍼灸師(はり師、きゅう師)とあん摩マッサージ指圧師だけが受講できる勉強会です。国家資格をもたない整体師や、国家資格をもっていても柔道整復師は参加できません。

 

セミナーの内容も試行錯誤しながら完成度を上げていきました。講師は会の代表の橋本聖樹。そして共に活法を学ぶ秋澤英樹が務めることに。カポスのルームリーダーとなってカポスを率いている秋澤です。活法を習い始めて年数が浅かった私は、二人の講師をサポートする立場でした。もともと、秋澤は私にとって活法の先輩でありコーチでした。

意気揚揚と始めた会ですが、最初から順調だったわけではありません。当時は「活法」など誰も知らない言葉。怪しい団体と見る人ばかりでした。一部の仲間だけが私のメッセージに耳を傾けてくれただけでした。

 

「鍼灸師がなぜ整体を勉強するのか?」という問いに納得できる回答を用意することも重要でした。そうしなければ仲間は増えていきません。実績を積み上げながら、少しずつ活法の成果を自分自身の臨床で証明していったのです。活法からの学びを自分なりの言葉でまとめ、ブログに書き続けていったのです。すると、だんだんに私の想いが広がり、活法を学ぶ仲間が増えていったのです。

 

こうして、業界でも珍しい鍼灸師だけの整体の勉強会が生まれたのです。「なぜこのセミナーを選んだのですか?」という問いに、今では「『鍼灸師のための』というところが気に入りました」と返して頂けることが増えました。

仲間の存在

活法研究会の仲間活法研究会の設立のもう一つの目的は、横のつながりを作ることでした。鍼灸師は流派をまたいで深く交流する機会はあまり多くありません。他流派のことを、よく思っていないか、興味ないかのどちらかです。

 

ITが進歩し、情報の年々激しくなる中、流派にしばられた交流は取り返しのつかない事態を招くと予想しました。これからは、流派の垣根を越えて自分に必要なスキルを躊躇なく集める者が勝ち残る時代だと考えています

 

活法は鍼灸の流派ではないため、活法研究会にはさまざまなジャンルの鍼灸師が集います。そして語らいの場が生まれるのです。技術的な話から経営の苦労話まで、飛び交う情報にルールはありません。

 

私がそうであるように、鍼灸院を営む鍼灸師は一人でいることが多く、技術的な評価は患者さんから直接いただく場合がほとんどです。しかし、悪いところを指摘する患者さんはほとんどいません。気に入らなければ通院をやめるだけです。「なぜ良いか」はわかっても「なぜ悪いのか」を知る機会は、少ないのです。

 

技術を一緒に学ぶ仲間がいれば、患者さんが評価する前に修正することができます。完璧に仕上がっている鍼灸師は一人もいません。その時点で最高だと思うことを患者さんに提供しています。

 

会を運営する中で、重要な事実に気がつきました。成功者と言われる人は、必ず成功者とつながっています。選ぶ手段は違っても、互いに認め合っています。成功者は自分と違う価値観に出会う準備ができているのかもしれません。

 

★つづく≫整動鍼の誕生

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