頭痛のツボ
東洋医学 一般編
ツボを上手に活用すれば、あなたの頭痛は軽くなります。優れた鍼灸治療は、その時に痛みを取ってくれるだけでなく、頭痛に悩まない身体に導いてくれます。
一般編では、頭痛の治療に使われている一般的なツボを集めてみました。書籍や雑誌で紹介されているものが多いと思います。鍼灸だけでなく、指圧、マッサージなどでよく用いられています。ツボが頭部に集中していることにお気づきになると思います。
一般編の後に、当施設で用いるツボを紹介する「カポス編」が続いています。 頭部のツボをほとんど使わないのが特徴です。
頭と肩にあるツボ
【百会(ひゃくえ)】督脉
頭のてっぺんにあります。「百」とは「たくさん」という意味で、「会」は文字通り「会う」という意味です。この百会で全身の気が交流すると言われています。リラックス効果も高いので、頭痛の他、不眠症などの精神安定が必要な場合にも使われます。
【陽白(ようはく)】足の少陽胆経
眼球の真上、眉毛から親指の横幅くらい上がったところにあります。「白」とは「明るい光」のことです。眼科疾患によく使われます。おでこが痛む頭痛や、眼精疲労から起こる頭痛に用いられています。
【攅竹(さんちく)】足の少陽胆経
まゆげの内側の端にあります。「攅」は集合するという意味で、まゆげを竹林に見立てて名前が付けられたと思われます。眼科疾患や眼精疲労から起こる頭痛に用いられています。
【瞳子髎(どうしりょう)】足の少陽胆経
目尻から外に数ミリ逃げたところにあります。「瞳子」は瞳孔、「髎」とは骨のすきまのことを意味します。頭痛の他、眼科疾患によく使われます。
【瘂門(あもん)】督脉
後頭部から下がってすぐの頚椎上にあります。「瘂」とは「言葉が出ない」という意味です。名前の通り、言語障害に効果があると言われているツボです。後頭部の重さや痛みを和らげる効果があります。
【肩井(けんせい)】足の少陽胆経
肩を真上から押して気持ちのよいところにあります。指圧やマッサージでは定番のツボです。「井」という字が示すように凹んでいるところですが、肩こりが強いと凹みがわかりません。適度な強さで押すと気持ちのよい痛みを感じます。頭痛の原因となる肩こりを解消させるために用いられています。
【率谷(そっこく)】足の少陽胆経
耳の先端から指2本分の幅上がったところの陥凹部にあり、ちょうど頭蓋骨の縫合部にあたるところです。率には「にわかに」という意味があることから、「にわかに谷のように凹んでいるところ」と意味で付けられたのかもしれません。側頭部の頭痛やめまいに用いられます。
【角孫(かくそん)】手の少陽三焦経
側頭部で耳の先端と同じ高さにあります。 「角」は耳の先端を指していると思われます。片頭痛、耳鳴り、歯痛などに用いられています。
【風池(ふうち)】足の少陽胆経
後頭部のすぐ下。耳たぶの後ろの方で、横でもなく真後ろでもなく、その中間付近で筋肉のふくらみの溝にあります。風邪がここから脳に入り込むと考えられている。グーッとちょっと強めに押すと頭に響くような気持ちよさがあります。頭痛の他、鼻のつまり、耳鳴り、目の疲れ、めまいに使われています。
【天容(てんよう)】手の太陽小腸経
顎の角のすぐ後ろで首筋の筋肉の上にあります。「天」とは頭部のことを指します。頭痛の他、頚の痛み、耳鳴り、のどの閉塞感にも使われています。
【天柱(てんちゅう)】足の太陽膀胱経
「天」は頭部ですから、頭を支える支柱という意味があります。頭痛の他、頚のコリ感、鼻づまり、のどの痛みにも使われます。指圧やマッサージには定番のツボです。
腕と手のツボ
【曲池(きょくち)】手の陽明大腸経
肘を曲げた時にできるシワの末端の陥凹部にあります。陥凹部が池のように見えることから「曲池」と名付けられたものと思われます。頭痛の他、肩こり、胃腸障害によく使われています。
【手三里(てさんり)】手の陽明大腸経
「曲池」から指の3本分の幅離れたところにあります。頭痛の他、肩こり、胃腸障害によく使われています。
【外関(がいかん)】手の少陽三焦経
手首から指3本文の幅離れたところにあります。頭痛の他、寝違い、耳鳴り、風邪などによく使われています。
【養老(ようろう)】手の太陽小腸経
手首の小指側の骨の膨らみの中にできる陥凹部にあります。頭痛の他、視力低下、肩、肘の痛みにも使われます。老化現象から来る症状に有効なことから、このような名前が付いたという説があります。
【合谷(ごうこく)】手の陽明大腸経
母指と示指の骨の間にあります。気の巡りをよくするツボとして利用され、頭部や顔面部の滞りを解消させる作用があります。鎮痛効果もあるため痛みの症状全般に応用が可能です。
足のツボ
【崑崙(こんろん)】足の太陽膀胱経
外くるぶしのすぐ後ろの陥凹部にあります。中国の伝説上の山岳の名称に由来があると言われています。頭痛の他、後頚部のコリ感、めまい、腰痛などの治療でよく使われています。
【僕參(ぼくしん)】足の太陽膀胱経
かかとの外側に取ります。頭痛の他、ぎっくり腰、かかとの痛みに使われます。
【三陰交(さんいんこう)】
内くるぶしから、指4本の幅上ったところで骨際アキレス腱よりにあります。足の内側を通る3つの経絡が交わることから、この名前が付けられています。作用範囲が広いため、諸々の症状に応用されています。頭痛や肩こりの他、月経前症候群(PMS)や胃腸症状でも使われています。
カポス編
ベース治療のツボ
カポスの頭痛治療は、頭痛の根源となる肩こりの解消が最初のステップです。肩こりを感じていない方もいらっしゃいますが、それでも外しません。なぜなら、自覚症状があるとは限らないからです。頭痛の痛みを感じている時、それよりも弱い痛みやコリは感じないことがあるのです。
慢性頭痛はこれらの3つに分類されています。一般的な話では、肩こりの影響が出るのは緊張型頭痛と言われています。しかし、本当は、片頭痛、群発頭痛においても重要です。実際の治療となると3つの分類では個々に対応することができません。パターンを細かく分ける必要性を感じます。そこでカポスは独自の12型を設け、患者様の細かな要望にもお応えできるようにしました。
それでは、ここからベース治療で使われるツボを図説します。これらのツボを毎回必ず使うわけではありません。頭痛や肩こりの状態に合わせて、必要なツボを1~3つ選びます。 ※独自に命名したツボも含まれています。
スポット治療のツボ
ベース治療だけでも頭痛を解消する効果があります。スポット治療は、ベース治療では対応しきれないゾーンやポイントに選択的に作用させることができます。当施設では、ベース治療とこれから解説するスポット治療を組み合わせて、患者様の細かな要望にお応えします。
1型
【特徴】風邪などで発熱している時に多く見られる頭痛。
慢性疲労でも多く見られる。
【ツボ】 三陰交(さんいんこう) 腎兪(じんゆ)
※ベース治療でも使われるツボです。 |
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2型
【特徴】微熱がある時や月経時に出やすい頭痛。
精神的緊張も関わっている。
【ツボ】 秩辺(ちっぺん) ※ベース治療でも使われるツボです。 尺前(しゃくぜん) |
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3型
【特徴】ズキンズキンと痛む場合と締め付けられるように痛む場合がある。
【ツボ】 心兪(しんゆ) ※ベース治療でも使われるツボです。 足臨泣(あしりんきゅう) |
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4型
【特徴】群発頭痛と言われる頭痛で起こりやすい頭痛。
【ツボ】 肩外兪(けんがいゆ) 曲池(きょくち) |
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5型
【特徴】後頭部の緊張が誘発することが多い頭痛。三叉神経痛(第一枝)の場合も。
【ツボ】 腰腿点(ようたいてん)2-3 肝兪(かんゆ) |
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6型
【特徴】頭と頚の境目の緊張が誘発する頭痛。
【ツボ】 項強(こうきょう) 風封(ふうふう) |
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7型
【特徴】眼精疲労が原因では重く感じ、後頭神経痛であればピリピリ感じる。
【ツボ】 九稜(くりょう) 中都(ちゅうと) |
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8型
【特徴】うなじのコリが原因の頭痛。ピリピリすれば後頭神経痛の可能性も。
【ツボ】 おろし 附分(ふぶん) |
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9型
【特徴】背中の張りが強い場合の起こりやすい頭痛。
【ツボ】 空髎(くうりょう) 承山(しょうざん) |
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10型
【特徴】片頭痛で痛むことが多い。眼精疲労が原因であることも。
【ツボ】 内谷(ないこく) 胞肓(ほうこう) ※ベース治療でも使われるツボです。 |
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11型
【特徴】突発性難聴の前兆で起こることが多い。耳の疾患に要注意。
【ツボ】 中渚(ちゅうしょ) 養老(ようろう) |
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12型
【特徴】頚の前の筋肉や大胸筋が緊張している場合に起こりやすい。
【ツボ】 合谷(ごうこく) T4(4) |
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