花粉症のメカニズム
本当の原因は花粉ではない
花粉症は花粉が原因ではありません。確かに花粉の飛ぶ季節に悪化しますが、同じ環境で同じ季節を過ごしているのに無症状の人もいます。ミクロ(分子生物学的)に見れば「アレルギー」という言葉が妥当なのかしれませんが改善させるためには、別の視点も必要です。
もっと簡単に考えてみましょう。花粉症の人は花粉だけでなく他の物質にも過敏に反応する傾向があります。ですから花粉症アレルギー性鼻炎の一側面であると言えます。「花粉でも悪化する鼻炎症状」と考える方が適切だとわたしたちは考えています。
花粉症と熱
この図をご覧下さい。これは東洋医学的な視点から花粉症のメカニズムを分析したものです。
耳の後の少し下に「風池(ふうち)」と言われるツボがあります。肩こりや頚のこりで悩む方にここが硬くなっている方が多いです。鍼(はり)や指圧では定番のツボです。
このツボを鍼や指圧で刺激すると目や頭がスッキリします。鼻の通りもよくなります。花粉症にとってとても重要なツボです。
「風池」と名付けられた、このツボは熱が溜まりやすい位置でもあります。熱が欝滞しやすいところなのです。特に花粉症では顕著で触れてみるとモワッと温かいことが多いのです。
とはいえ、ここが発熱しているわけではありません。熱が滞って加熱された状態です。冷やすと血流が悪くなって余計に滞ってしまうことがあります。むしろ、蒸しタオルのようなもので温めた方が循環が改善して熱が拡散してスッキリします。
この風池の熱をどう処理するかが花粉症治療において最も重要なことであると私たちは考えています。
熱は出口を探す
風池というツボがある位置は、後頭骨のすぐ下です。うなじから指をすりあげていくと頭蓋骨にぶつかる辺りです。下から昇ってきた熱がここで吹き溜まるようなイメージです。熱と言ってもほんのわずかに体温が高いだけです。触れるとモワッと感じます。このほんのわずかな体温の違いは東洋医学では見逃したくない重要な情報です。
ここに熱が溜まっていくと、コップに水が溢れてこぼれるように熱は移動します。熱は上に昇る性質があるので、コップから水が溢れてこぼれる様子を逆さにして想像してください。その熱は出口を求めて移動します。出口になり得る穴は、目、鼻、耳、口です。
こうして考えると、花粉症は、熱が出口を求めて目、鼻、耳、口に熱が寄ってくる現象です。熱が強いところは過敏になります。体としては迷惑な熱が集まっているわけですから、何かきっかけがあれば熱を外に追い出そうとします。このきっかけに花粉が利用されるわけです。
熱の発生源
花粉症を治そうとするなら、出口に注目するのではなく熱の発生に目を向けなければなりません。火事にたとえるとわかりやすいと思います。
症状は窓の隙間から出てくる煙です。この煙は火事を知る最初の情報にはなっても、必ずしも火元の部屋と一致するわけではありません。煙は高いところに昇って逃げ道を探します。ですから火元は外からは見えないほど奥で下の方にあるかしれないのです。
当施設の花粉症治療は、火元をしっかり見極めて対処しています。
顔面の熱と肩こりの関係
注目しているのは肩こりです。肩こりがあると熱が顔面部に溜まりやすくなるばかりでなく、熱が下がっていくルートが狭まってしまいます。
肩こりと一口に言っても、原因も位置も人それぞれです。目の疲れ、腕の疲れ、腰の疲れ、脚の疲れ、すべてが肩こりの原因となり、ツライ位置もそれぞれ異なります。肩こりには、花粉症の原因になるものと、そうでないものがあります。
花粉症に関係する肩こりを解消することができれば、花粉症の原因もなくなるという原理です。私たちはその肩こりを特定し、正確な位置を探し出すことができます。
★参考ページ≫花粉症のツボ(カポス編)