花粉症のツボ
指圧とお灸で花粉症対策
東洋医学には、昔から伝えられているツボがあります。こうしたツボを活用することで、ツライ花粉症を和らげることができます。ここでは花粉症に効果があると言われている一般的なツボを紹介します。
ご自分で行う場合には、爪を立てず指の腹で気持ちよく押してください。痛いほど押す必要はありません。鼻の通りが改善するまでじっくりと待つことが必要です。慌てずゆっくりと行ってください。
市販のお灸(せんねん灸など)を利用する方法もありますが、お顔と頭部のツボはリスクが高いのでご自宅では控えてください。
頚と背中の中間にある「大椎(だいつい)」というツボには、お灸がおすすめです。気持ちのよい熱さ(温かさ)で行って下さい。熱ければ熱いほど効果が高いわけではありませんから、我慢をする必要はありません。自分では見えない部分ですから、ご家族にお願いしてください。
鼻の通りを改善させるツボ
【百会(ひゃくえ)】 頭のてっぺんにあります。頭痛、めまい、耳鳴など、使用範囲がとても広いツボです。 |
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【上星(じょうせい)】 髪の毛の生え際から少し上にあります。目の痛み、めまい、鼻づまりなどで使用されるツボです。 |
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【印堂(いんどう)】 左右のまゆげの間にあります。鼻水、鼻づまりの他、精神を安定させる目的使用されることが多いツボです。 |
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【迎香(げいこう)】 鼻の穴のすぐ外側にあります。鼻水、鼻づまりによく使われます。 |
【攅竹(さんちく)】 まゆげの内端にあります。目がショボショボしたり目の上がモワッと気持ち悪い時に使用します。 |
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【睛明(せいめい)】 目頭と鼻の骨の間にあります。目が疲れると思わず手で押したくなるところです。目の症状を和らたり、鼻の通りを改善させたい時に使用します。 |
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【鼻痛(びつう)】 鼻づまりを解消させるのに役立ちます。即効性が高くハリなどで刺激した場合にはすぐに通ってきます。 |
鼻水を止めるツボ
【風池(ふうち)】 後頭部のすぐ下。耳たぶの後ろの方で、横でもなく真後ろでもなく、その中間付近で筋肉のふくらみの溝にあります。グーッとちょっと強めに押すと頭に響くような気持ちよさがあります。鼻のつまり、耳鳴り、目の疲れに使ったり。使用範囲がとても広いツボです。 |
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【大椎(だいつい)】 ゾクゾクと始まる風邪の引き始めはこのツボが冷えます。ここが冷えると水っぽい鼻水が出てきます。 鍼灸院ではこのツボにお灸が使われることが多いです。ご家庭では使い捨てカイロで温めると風邪の引き始めの対策になります。マフラーなどで日頃から冷やさないようにしておくと風邪予防になります。花粉症のおいては鼻水を止める時に使えます。 |
顔がスッキリするツボ
【合谷(ごうこく)】
気の巡りをよくするツボとして利用され、あらゆる症状で応用できます。花粉症においては顔面の熱感を冷ます効果が期待できます。気持ちよくもみほぐしてください。
【少商(しょうしょう)】
指先にあるツボは「井穴(せいけつ)」を言われ、熱を冷ます時に用いられます。風邪などの発熱する疾患の治療によく応用されています。花粉症においては、過敏になった鼻の粘膜を沈静化させる効果が期待できます。ボールペンの先や、つまようじなど、尖ったもので刺激してみましょう。
新しい花粉症のツボ
花粉症は現代人特有の症状ですから、古典的なツボで花粉症をカバーできなくても不思議ではありません。実際に古典的なツボで花粉症を根治させるのはとても難しいことです。症状を抑えることで精一杯であることが多く、一握りの名人のみが著しい成果を上げているのが実状かと思われます。
鍼灸師のような専門家の間でも、花粉症のツボを研究する動きは盛んになっていません。花粉症はアレルギーですから「ツボでアレルギーが治るのか…」という課題と直面するからでしょう。簡単には乗り越えられない学術的な障壁があります。
確かに花粉症はアレルギー症状ですが、環境や条件によって症状は強くも軽くもなります。花粉の飛散量に影響を受けながらも、花粉がない所でも症状が強かったり、花粉が多いと思っても症状は軽かったりしたことありませんか。
花粉症は必ずしも花粉の飛散量だけで症状の強さが変わるわけではありません。身体のコンディションにも大きく左右されていることは間違いありません。ですからツボ選びは「コンディションを整える」という発想が大事になります。極端な言い方ですが、アレルギー検査は陽性でも症状がゼロになっていれば問題はありません。
コンディションという意味合いから考えると、従来のツボの使い方には限界があります。目や鼻に重点を置きすぎていて、もっと広い意味でのコンディション作りには不十分なのです。一つ視野を広げると、花粉症には肩こりが深く関わっていることが見えてきます。
そこで、花粉症の人に特有な肩こりを探しました。そして、その肩こりを解消させるために必要なツボを研究しました。実際の患者さんに試しながらその効果の有無をコツコツと確かめてきたのです。そうしていくうちに新しいツボとの出会いがありました。
◎さらに詳しく≫カポスのツボ