花粉症
日本の花粉症
現在、日本人の約25%が花粉症だと言われています。花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が、くしゃみ・鼻水・目の痒みなどの症状を誘発するアレルギー症状です。「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれています。
アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって3つに分類されます(季節性アレルギー性鼻炎・通年性アレルギー性鼻炎・寒暖差アレルギー)。
ちなみに「花粉症」という言葉は日本人が命名したものです(詳細≫花粉症の歴史)。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
季節性アレルギー性鼻炎が通称「花粉症」です。日本ではスギ、ヒノキ、ブタクサだけでなく、約60種類の植物が花粉症を引き起こす原因となっていると言われています。特定のアレルゲンにのみ反応し、その季節だけ鼻炎の症状の諸症状が引き起こされます。花粉は一年を通して何かしらの花粉が飛散しています。春だけではなく秋や冬にも花粉症があります。
原因物質(アレルゲン)は1回の血液検査で最大12種類まで調べる事ができます。費用は3,000~6,000円です。
スクラッチテストという検査方法あります。スクラッチテストは腕の内側にアレルギー物質のエキスを垂らし、反応を観るテストです。15分後に赤みや腫れがあるかどうかを確認し、あれば陽性です。
通年性アレルギー性鼻炎(慢性鼻炎)
鼻の粘膜の炎症が長期間続いている状態を指します。ハウスダストやペットの毛など原因物質に囲まれ、一年を通して鼻炎の諸症状(特に鼻づまり)が感じられます。長期間鼻づまりがあると口呼吸となり口や喉が乾燥するので、風邪を引きやすかったり口臭の原因にもなります。また気道が狭くなるのでいびきの原因になり、日中の眠気・集中力の低下にもつながります。
慢性鼻炎には慢性単純性鼻炎と慢性肥厚性鼻炎の2つのタイプがあります。慢性単純性鼻炎は粘膜が赤く腫れた状態が続いた状態、慢性肥厚性鼻炎は症状がもっと長引いて粘膜が硬く厚くなってしまった状態の事を言います。慢性肥厚性鼻炎の方が重たい状態になります。
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)
暖かい所から急に寒い所に移動したり、寒い所から急に暖かい所に移動したりすると、鼻の血管が過敏状態になる場合があります。この過敏状態が、鼻炎の諸症状が引き起こします。寒暖差アレルギーはアレルギーと呼ばれてはいますが、厳密に言えばアレルギーではありません。正式には「血管運動性鼻炎」と言います。
症状
寒暖差アレルギーの症状は、くしゃみ、鼻づまり・鼻水などの症状の他に、食欲不振・睡眠障害・疲れやすい・イライラするなどの自律神経症状があります。季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)と通年性アレルギー性鼻炎(慢性鼻炎)との決定的な違いは、目に症状がないことです。
原因
自律神経が原因の一つとして考えられています。自律神経は普段、寒いときは血管を縮め体温を逃さないようにし、逆に暖かいときは血管を広げて温度差を身体に適応させる役割を果たしています。自律神経の適応範囲は寒暖差7℃と言われており、それ以上の温度差は自律神経を乱してしまいます。
特定の原因が存在しないために、アレルギー検査などに反応しないことが特徴になります。
対策(セルフケア)
生活の中でできるだけ温度差をつくらないように工夫します。
・電車やお店の中など外気温との温度差があるときは服を脱いだり着たりとこまめに温度調整をする。
・マスクをすることで鼻の粘膜を温めて潤す。
・マフラーや手袋、厚手のタイツや靴下など着用することで外気になるべく触れないように心がける。
・ぬるめのお風呂にゆっくりつかる(神経は38℃以下がリラックス、42℃以上で興奮状態になります)。
・マッサージなどを受けて心身ともにリラックスを心がける。
風邪・寒暖差アレルギー・花粉症の違い
花粉症と寒暖差アレルギーと風邪は症状が似ている所が多く間違えやすいところです。
適切に判断し正しい治療を行う事が、症状改善につながります。
風邪 | 寒暖差アレルギー | 花粉症 | |
目の充血 | なし | なし | あり |
鼻水 |
黄色など濁っている 粘着性がある |
無色透明色 水性でさらさらしている |
無色透明色 水性でさらさらしている |
喉の痛み | ある | なし | なし(かゆみはある) |
発熱 | ある | なし | なし |
男女比 | なし |
女性が多い説(筋肉量の関係) |
4:6(男:女) |
原因 | ウイルス感染 | 自律神経説あり | アレルゲンとの接触 |
症状 | 頭痛、喉の痛み、咳など |
くしゃみ、鼻水、鼻つまり 食欲不振、睡眠障害、疲れやすい、イライラする |
くしゃみ、鼻水、鼻つまり 目のかゆみ |
対策 | うがい、手洗い、マスク |
温度差を無くす 自律神経を整える(リラックスする) |
体質改善 |
◎カポスの視点から寒暖差アレルギーを解説≫寒暖差アレルギー