危険なめまい
めまいは、脳に障害が起きても起こります。脳が原因の場合は脳機能障害が見られます。緊急性が高いため、疑われる場合は病院を受診してください。時には救急車が必要です。
脳血管の問題が生じている場合は、鍼灸の適応ではありません。精密検査によって以下の可能性が除外され、他の原因も見つからない場合は、鍼灸院での治療が有効です。東洋医学的な視点から体質やバランスを調整することで改善するケースがあります。
脳梗塞
回転性めまい(グルグルしためまい)の他、手足のしびれ、ろれつがまわらない、意識障害、片麻痺、感覚性失語症(相手の言う事は聞こえるが理解出来ない状態)、運動性失語症(相手の言う事は理解できるが、言葉が出てこない状態)、頭痛などが起きます。
脳梗塞は脳を栄養している血管が狭くなったり塞がることによって脳細胞が虚血状態になり壊死してしまう病気です。
脳出血
特に強い回転性のめまい(グルグルしためまい)が起こった時は、小脳性出血の可能性があります。
脳出血は血管が破れ、溢れ出た血液で脳を圧迫してしまう病気です。出血部位によって出現する症状や後の後遺症が違ってきます。半身不随などの運動麻痺、意識障害、感覚障害、頭痛なども起きます。
脳腫瘍
浮動性のめまい(フワフワしためまい)が特徴です。起床時の頭痛、嘔吐、手足のしびれ、視野の異常、難聴などが見られます。
脳腫瘍は脳に腫瘍ができて、それが脳を圧迫してしまう病気です。乳幼児から高齢者まで全ての世代に見られるのが特徴です。
てんかん
てんかんのめまいは耳鳴りと共に起き、15秒ほど続きます。
てんかんは手の震えや全身けいれんなどが発作的にでる病気です。手足がつっぱったり、口から泡を噴いたり、意識が失われたりします。発作が起きていない時は全く正常なのが特徴です。
椎骨脳底動脈循環不全
回転性のめまい発作を起こします。同時に手足の痺れを伴うこともあります。難聴や耳鳴りは起こらないのが特徴です。首を動かすと血管が圧迫されめまいがひどくなることがあります。
椎骨脳底動脈循環不全とは、一過性脳虚血発作(TIA)の一種です。椎骨脳底動脈の循環不全により、脳幹や小脳への血流が悪くなった状態です。
まとめ
めまい | 伴う症状 | |
脳梗塞 | 回転性めまい | 手足のしびれ、ろれつがまわらない、意識障害 |
脳出血 | 回転性めまい | 半身不随、意識障害、感覚障害、頭痛 |
脳腫瘍 | 浮動性めまい | 難聴、起床時の頭痛、手足のしびれ |
てんかん | 回転性めまい | 耳鳴り、手の震え、全身けいれんが発作的に出る |
椎骨脳底動脈循環不全 | 回転性めまい | 手足の痺れ 難聴や耳鳴りは起こらない |