肩こりの分類
肩こりの分類
「頚こり」や「肩こり」と言っても、そのタイプは実にさまざまです。タイプによって原因が違うため、原因に合わせた施術を行わなければ期待する成果は得られません。当施設では、お一人お一人の肩こりに合わせてツボが選べるように、独自に12に区画に分けました。肩こりを専門とする鍼灸院だからこそ、肌目の細かい分析と対応が可能です。
次の絵の中から、あなたの肩こりに近いものを見つけてください。
1.頭痛に注意なタイプ
「ザ・肩こり」とも言えるしつこい肩こりが居座るポイントです。頭痛を招く肩こりの主犯格として考えているので、頭痛を患っている方に対しては必ず緩めておきたいところです。女性では子宮の状態が反映されやすいところですので、月経困難症(PMS)をお持ちの方が多く見られます
2.耳に注意なタイプ
真上から押されると気持ちよさを感じます。ここには肩井と言われるツボがあり、肩こりのツボとして、雑誌などで紹介されている事が多いので、一般に広く知られたポイントです。ここがカチカチになると、側頭部の頭痛の他、突発性難聴や耳鳴りを招く恐れがあるため、放っておきたくないところです。また、腰の疲労とも関わりが深い肩こりです。
3.高血圧に注意なタイプ
項(うなじ)のコリを強く感じるタイプです。ここが硬くなりすぎると、血圧が上がる傾向があります。原因不明の高血圧に対して、この辺りのコリを解すと下がっていく場合もあります。デスクワークが多く、精神的に疲労している人に多くみられるコリです。
4.目に注意なタイプ
後頭部が凝るタイプで、眼精疲労に悩む方に多く見られるコリです。指先を酷使する人も多く見られますので、PCを長時間使っている方が悩んでいることが多い部分です。目を休ませるとラクになりますが、このコリを解消させると眼精疲労が消えていきます。
5.動悸に注意なタイプ
心肺機能に不調があるとコリやすいポイントです。たとえば、風邪を引いて、咳が出たり熱が出てもこの辺が硬くなり重く感じます。背中に鉄板が入ったように感じることも多く、気持ちに余裕がなくなっていきます。強いストレスを感じていたり、精神疲労が重なっている方にも多いタイプです。
6.頚に注意なタイプ
腕の疲労が疑われます。特に肘に負担のかかる仕事やスポーツをしている方に多く見られます。また、ここが凝っていると頚にトラブルが出やすいので、寝違えることが多いと感じている方は、ここのコリを疑ってみる必要があります。またむち打ち症の後遺症に悩む人にも、ここのコリが目立ちます。
7.冷えに注意なタイプ
肩甲骨が凝るというタイプです。このタイプには低体温が多く、内臓が冷えているケースが多々見られます。ふくらはぎや二の腕が冷えているという特徴があります。内臓を冷やさないように注意し、身体を温まるように治療する必要があります。
8.脚の疲労に注意なタイプ
脚や腰に疲労を感じている方が訴えることが多いコリです。上半身だけでなく下半身へのアプローチが重要になります。
9.腸の疲労に注意なタイプ
便秘など大腸の調子が優れない時に気になるところです。放っておくと、ぎっくり腰などの腰痛を引き起こすことがあります。
10.風邪に注意なタイプ
ここにコリがあり、冷えを伴う方は風邪を引きやすい傾向にあります。冬場にはマフラーなどでしっかり首の温度を守ることが必要です。手首の冷やしすぎにも注意が必要です。日頃から手首をストレッチなどして、柔軟性を失わないように気を付けることが大切です。
11.鬱(うつ)に注意なタイプ
息苦しさや喉の閉塞感をを招くコリで、不安を伴うことが多いタイプです。放っておくと、精神が不安定になり、鬱状態になることもあります。胃腸の機能も低下しやすいため、食欲不振になることもあります。
12.慢性疲労に注意なタイプ
大胸筋が張ってくると、肩が前側に引き寄せられ背中が丸まってきます。いわゆる猫背に見えるタイプです。胸郭が動きにくくなるため、横隔膜まで影響して呼吸が浅くなります。内臓に十分な酸素と栄養素が行き渡らないため、疲労しやすい身体になります。女性では、乳腺炎の原因となることが多いコリです。
原因を考えた肩こり治療
このように肩こりをタイプ分けすることによって、お一人お一人に合った治療をすることができます。コリの局所に鍼をしてもラクになりますが、原因を解決しておかないと、すぐにコリが再生してしてしまいます。繰り返し施術しても肩こりが根本から解消されることはありません。
カポスが目指すのは「肩が凝らない身体」です。「肩はなぜ凝るのだろう…」という原点に立ち返り、原因を解決します。原因が単一であることもありますが、多くの場合は複合的です。一つ一つを丁寧に紐解くことで、肩こりは次第に消えていきます。
肩こり治療は、真の解決を図ろうとするならば、複雑なメカニズムを解き明かし、奥深い原因にアプローチしなければなりません。けっして簡単なものではありません。このページで解説したように、肩こりは肩だけの問題ではありません。全身の調子と深く関わっています。裏返せば、肩こりをしっかり解消させることができれば、病気を未然に防ぎ、健康的な毎日を手に入れることができます。